不動産投資の利回りとは?4つの種類と計算式・目安をわかりやすく解説

「利回り10%の中古アパートと、利回り6%の新築アパート。どちらが儲かりますか?」——私が毎月200名以上の医師に不動産投資を教えるなかで、必ず出てくる質問です。結論から言うと、この情報だけではどちらとも判断できません。なぜなら、広告に載っている「利回り」は4種類ある利回りのうち、いちばん粗い1つ目の数字にすぎないからです。

私は整形外科医として働きながら不動産投資を続け、現在は週1勤務まで本業を減らし、アパート9棟・戸建て5軒、年間の家賃収入は3000万円を超えています。この記事では、私が物件を判断するときに実際に使っている4つの利回り指標(表面利回り・実質利回り・ROI・CCR)を、1つのモデル物件を例に、定義と計算式から順番に整理します。用語の「辞書」として使えるようにまとめたので、物件資料を見るときに手元に置いてもらえたらと思います。

目次

不動産投資の「利回り」は4種類ある

まず全体像です。この記事で扱う4つの利回りは、上から順に「粗い数字」から「本当の手残り」へと精度が上がっていきます。

  • ①表面利回り:年間家賃収入 ÷ 物件価格。広告・ポータルサイトに載っている「見かけ」の数字
  • ②実質利回り:(年間家賃収入 − 運営コスト)÷ 物件価格。経費を引いた現実寄りの数字
  • ③ROI(投資利益率):ローン返済まで引いた年間の手残り(キャッシュフロー)÷ 総投資額。物件の事業としての体力
  • ④CCR(自己資金回収率):年間の手残り ÷ 投下した自己資金。資産拡大のスピード

以下、共通のモデル物件で計算していきます。物件価格5000万円・年間家賃収入500万円の中古アパートを、自己資金800万円(頭金500万円+購入諸費用300万円)、融資4500万円で買うケースです。融資条件は例として「金利2%・期間20年・元利均等返済」と置きます(金利や年数は物件と属性で変わるので、あくまで計算例の前提です)。

①表面利回り——広告に載っている「見かけ」の数字

表面利回り(%)= 年間家賃収入 ÷ 物件価格 × 100

モデル物件なら、500万円 ÷ 5000万円 = 表面利回り10%。同じ年間500万円の家賃でも、物件価格が1億円なら表面利回りは5%です。ポータルサイトや物件広告に載っている利回りは、ほぼすべてこの表面利回りです。

表面利回りは物件をふるいにかける入口の目安にはなります。ただし、満室を想定した家賃(想定賃料)で計算されていることが多く、しかも不動産経営に必ずかかるコストが一切入っていません。「表面利回り10%だから買い」という判断は、この時点ではまだ何も言えていないのです。

②実質利回り——運営コストを引いた現実の数字

実質利回り(%)=(年間家賃収入 − 年間の運営コスト)÷ 物件価格 × 100

アパート・マンション経営には、毎年こうしたコストがかかります。

  • 管理会社への管理費(目安は家賃の5%前後)
  • 固定資産税・都市計画税
  • 火災保険・地震保険
  • 共用部の電気代、月1回程度の定期清掃費

モデル物件で、管理費25万円(家賃の5%)+固定資産税等40万円+保険10万円+電気代・清掃等15万円=年間コスト90万円とすると、(500万円 − 90万円)÷ 5000万円 = 実質利回り8.2%。表面10%から約2ポイント下がりました。これが「現実に近い」利回りです。

ただ、実質利回りでもまだ不十分です。不動産経営における最大の支出=ローン返済が、まだ計算に入っていないからです。ここから先が、投資家が経営者として本当に見るべき数字になります。

③ROI(投資利益率)——返済まで引いた「手残り」の率

ROI(%)= 年間の手残りキャッシュフロー ÷ 総投資額 × 100
(手残り = 年間家賃収入 − 運営コスト − 年間ローン返済額。ここでは税引き前で考えます)

モデル物件の融資4500万円(金利2%・20年・元利均等)だと、年間返済額は約273万円。手残りは 500万円 − 90万円 − 273万円 = 年間約137万円です。総投資額5300万円(物件5000万円+諸費用300万円)に対して、137万円 ÷ 5300万円 = ROI約2.6%となります。

私は、金利が上昇局面にあり建築費・修繕費も高止まりしている今の環境では、ROIが最低でも1.5〜2%を確保できていない物件は危険だと考えています。ROIが1%前後しかないということは、収支がギリギリで回っているということです。空室が少し出た、退去後のリフォーム代がかさんだ、金利がわずかに上がった——そのどれか1つで赤字に転落します。

特に怖いのが大きな修繕です。たとえば屋根が平らな「陸屋根」の物件で雨漏りが起きると、屋上防水の工事が必要になり、数百万円、普通に500万円かかることもあります。余剰資金が十分にある人なら耐えられますが、自己資金5%やフルローンといったハイレバレッジで1億〜2億円規模の物件を買っている人がこれに当たると、直す資金が用意できず、雨漏りが放置され、入居者が退去し、さらに収支が悪化する——という悪循環に入りかねません。薄いROIは、こうした不測の出費を吸収する余白(マージン)がない状態だと理解してください。

④CCR(自己資金回収率)——資産拡大のスピードを測る

CCR(%)= 年間の手残りキャッシュフロー ÷ 投下した自己資金 × 100

CCRは「入れた自己資金を、手残りで何年かけて回収できるか」を示す指標です。モデル物件では、137万円 ÷ 800万円 = CCR約17%。回収までおよそ6年弱という計算になります。

私が目指すべきだと考える基準はCCR20%以上、つまり5年で自己資金を全額回収できることです。モデル物件は惜しくも届いていないので、実戦なら「もう少し価格交渉できないか」「融資条件を改善できないか」を検討する場面です。医師をはじめ高所得の方は、高い信用力で有利な融資を引き出せるぶん、この高いCCRを実現しやすい立場にあります。

なぜ回収スピードにこだわるのか。5年で回収した自己資金を次の優良物件に再投資する、あるいは5年・10年保有して売却し、返済が進んだぶん増えて戻ってきた自己資金でさらに良い物件を買う——この繰り返しで、資産は雪だるま式に拡大していくからです。ROIが「守り」の指標なら、CCRは「攻め」の指標。両方が揃ってはじめて、安全に速く拡大できます。

同じ表面利回り10%でも、赤字になるケース

4つの利回りを分けて見る意味を、もう1つの計算で示します。モデル物件とまったく同じ価格・家賃・経費でも、融資期間が20年ではなく12年しか取れなかった場合を考えてみてください。築年数が古く法定耐用年数を超えた物件では、融資年数が短くなることがよくあります。

融資4500万円・金利2%・12年の元利均等だと、年間返済額は約422万円。手残りは 500万円 − 90万円 − 422万円 = 年間マイナス12万円。表面利回り10%のまま、持っているだけでお金が出ていく物件になりました。返済期間中は毎年赤字でも、元金の返済で純資産自体は積み上がっていくので一概に「失敗」とは言えませんが、少なくとも表面利回りだけを見て「10%だから儲かる」と考えるのがいかに危ないかは伝わると思います。

利回りの数字だけでは、まだ決められない

冒頭の問いに戻ります。「利回り10%の中古と6%の新築、どちらが儲かるか」。ここまで読んだ方なら、表面利回りだけでは判断できない理由が分かるはずです。同じ表面利回りでも、間取りによって空室率も家賃の下落幅も違います。構造によって修繕費のかかり方も違い、たとえばRC造は修繕がかさみやすく、木造や鉄骨造はかかりにくい傾向があります。土地値の下支えがあるか、その地域の人口動態はどうか、といった出口(売却)まで含めた検討も欠かせません。

そしてもう1つ。「良い物件かどうか」と「あなたが買っていい物件かどうか」は別問題です。リスク許容度、不動産にかけられる時間、自己資金、年収、お住まいの地域。同じ物件でも「この先生には合う」「この先生にはおすすめしない」が変わります。修繕の連絡すら受けたくない人と、空室を自分でDIYしてでも埋めにいく人とでは、取るべき戦略がまったく違うからです。私が受講生の先生方の状況を細かく伺ったうえで物件の壁打ちをしているのは、この「物件×個人」の掛け合わせでしか最終判断はできないと考えているからです。

まとめ:4つの利回りの使い分け

  • 表面利回り=家賃÷価格。物件検索のふるい分けまで。これ単体で投資判断はしない
  • 実質利回り=(家賃−運営コスト)÷価格。管理費・固定資産税・保険・清掃費まで引いた現実の収益力
  • ROI=返済後の手残り÷総投資額。最低1.5〜2%を確保し、修繕や金利上昇を吸収する余白を持つ
  • CCR=手残り÷自己資金。20%以上(5年回収)を目安に、回収した資金の再投資で雪だるま式に拡大する
  • 数字が揃っても最後は物件×個人の総合判断。間取り・構造・土地値・出口と、自分の資金・時間・リスク許容度を掛け合わせて決める

▶いなせ公式LINEはこちら

「不動産を始めたいけど、どこから始めたらいいかわからない・・」

「やるからには、不動産投資を成功させたい」

そんな思いを抱えている先生のために、医師が不動産投資を最短で成功させるための極意をお伝えします。

  • 特典① いなせ式【医師の不動産最短攻略セミナー】を無料公開
  • 特典② Amazon売れ筋ランキング1位を獲得した『初心者から始める医師の不動産投資』第1章を無料で読めます

一歩踏み出す勇気がある医師のみ成功する。

不動産投資で人生を豊かにするために、一緒に学んでいきましょう

▶いなせ公式LINEはこちら

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次