不動産投資の1棟目では、価格や立地だけで判断せず、利回り、築年数、構造、劣化状況、融資条件まで総合的に確認することが重要です。
1棟目の結果は、その後の投資拡大を大きく左右します。利益が出る物件を購入できれば、家賃収入を得ながら返済を進められます。売却時には、返済が進んだ分だけ手元に戻る自己資金が増える可能性もあります。一方で、判断を誤ると融資を受けにくくなり、2棟目、3棟目へ進めません。
私は現役の整形外科医として不動産投資を実践しています。その経験から、初心者が1棟目を選ぶときに持つべき判断軸を解説します。
不動産投資の1棟目が重要な理由
不動産投資には、戸建て、区分マンション、1棟アパート、1棟マンションなど複数の選択肢があります。都会と地方のどちらがよいのか、利回りを優先するのか、値上がり益を狙うのかについても発信者ごとに意見が異なります。
自分の基準を持たないまま不動産会社へ相談すると、営業担当者の提案をそのまま受け入れやすくなります。実際に、ある先生は約1億円の物件を購入し、約2,000万円の損害が発生して銀行や不動産会社との裁判になりました。この状態では次の融資や物件購入にも影響します。
まず必要なのは、物件を紹介してもらうことではありません。紹介された物件を自分で判定できる軸をつくることです。医師が陥りやすい失敗については、年収1200万円の医師が破産危機|不動産投資4つの罠でも解説しています。
1棟目で理想の物件を選ぶ7つの基準
1.販売価格
資金力や属性がある人は、融資によるレバレッジを活用できます。ただし、助言を受けずにいきなり5,000万円や1億円の物件を買うのはリスクがあります。初心者は2,000万〜5,000万円程度の物件から始めるのが無難です。
戸建てから始めてDIYや賃貸運営を学ぶ方法もあります。十分な資金力と属性があるなら、1棟アパートや1棟マンションも選択肢になります。
2.利回り
不動産の利益は、家賃によるインカムゲインと、売却によるキャピタルゲインで構成されます。1棟目では両者のバランスが必要ですが、私は一定の需要が見込める立地で利回り8%以上を一つの目安にしています。地方では8%でも十分とは限りません。
不動産には火災保険、固定資産税、不動産取得税、空室時の原状回復費、修繕費、融資返済などがかかります。購入時と売却時には仲介手数料も発生します。利回りが低い物件は、価格が上昇しなければ利益を確保しにくくなります。
表面上の利回りだけで決めない考え方は、千葉県・利回り8%の築浅アパート|買う前に疑う3つの罠も参考になります。
3.立地
都心や駅前など土地価格が高い場所では、物件価格に対して得られる家賃が伸びず、利回りが低下しやすくなります。立地がよいという理由だけで選ぶと、収益が市況に左右される投資になります。
1棟目から最上級の立地を狙う必要はありません。家賃需要と取得価格のバランスを確認し、運営費を差し引いても利益が残る地域を選びます。
4.築年数と5.構造
古い物件でも、土地に価値があり、更地で売却した際の価格を見込めるなら投資対象になります。築年数だけで除外する必要はありません。
ただし、築30年を超えるRC物件には注意が必要です。屋上防水、配管の水漏れ、電気設備、エレベーターなどの修繕が高額になりやすく、解体費もかかります。築古の重量鉄骨も同様です。
初心者は、木造または軽量鉄骨のアパートから経験を積む方法が現実的です。水漏れ、シロアリ、傾きなどが生じても、RCや重量鉄骨に比べて修繕を検討しやすいからです。
6.劣化状況と7.融資条件
現地調査では、外壁や基礎のクラックを確認します。特に基礎に5ミリ以上のひび割れがある物件は、傾きや高額修繕につながるリスクがあるため、一度立ち止まるべきです。
法定耐用年数を超えた物件でも、価値がなくなるわけではありません。木造や軽量鉄骨の築古物件に15年程度の融資を出す銀行もあります。融資条件は銀行によって異なるため、築年数だけで諦めずに相談します。1棟目の融資先を考える際は、不動産投資の1棟目におすすめの銀行|融資先の選び方も確認してください。
優良物件の情報を得る方法
ポータルサイトを何時間見ても、条件のよい物件が見つからないことは珍しくありません。重要なのは、不動産会社と直接関係を築くことです。
ただし、知識がないまま訪問しても、継続的な紹介にはつながりません。不動産会社も、売却後のトラブルやクレームを避けたいと考えています。投資家として必要な知識と常識を身につけ、購入条件を明確に伝えることが先です。
さらに、1棟目では信頼できるメンターを持つことが重要です。医師が教科書を読んだだけで手術をしないのと同じで、不動産投資も知識だけでは判断できません。物件選定から融資、現地調査まで相談できる経験者と進めることで、営業担当者の言葉だけに頼らず判断できます。
なぜ医師ばかりが狙われるのかは、医師がカモにされる構造を実例つきで解剖した記事にまとめています。
まとめ
不動産投資の1棟目では、販売価格、利回り、立地、築年数、構造、劣化状況、融資条件を一つずつ確認します。初心者は2,000万〜5,000万円程度を目安とし、一定の需要がある立地で利回り8%以上を狙います。築古物件は候補になりますが、築30年超のRCや重量鉄骨、大きな基礎クラックには注意が必要です。
物件情報を得る前に、自分の判断軸をつくってください。そのうえで不動産会社との関係を築き、信頼できるメンターと検討することが、1棟目から利益を残すための最短ルートです。
基礎から体系的に学びたい方は、初心者からはじめる医師の不動産投資(Amazon不動産投資部門1位)もご覧ください。
よくある質問
不動産投資の1棟目で失敗しないためには何を確認すればよいですか?
価格や立地だけで判断せず、販売価格、利回り、立地、築年数、構造、劣化状況、融資条件の7つの基準を総合的に確認することが重要です。物件を紹介してもらう前に、紹介された物件を自分で判定できる判断軸をつくることが、1棟目から利益を残すための前提になります。
初心者が1棟目に選ぶ物件の価格と利回りの目安はどのくらいですか?
初心者は2,000万〜5,000万円程度の物件から始めるのが無難です。利回りは、一定の需要が見込める立地で8%以上が一つの目安ですが、地方では8%でも十分とは限らないため、税金や修繕費などの運営費を差し引いても利益が残るかを確認する必要があります。
築年数が古い物件でも1棟目の投資対象になりますか?
土地に価値があり、更地で売却した際の価格を見込めるなら投資対象になり、築年数だけで除外する必要はありません。ただし築30年を超えるRCや築古の重量鉄骨は修繕費や解体費が高額になりやすいため注意が必要で、初心者は木造や軽量鉄骨のアパートから経験を積む方法が現実的です。
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