アパート経営で失敗を避ける結論は、表面利回りだけで物件を選ばないことです。間取り、駐車場、擁壁、市街化調整区域まで確認し、長期的な収支と出口を考えて購入する必要があります。
私は現役の整形外科医として不動産投資を実践していますが、周囲では独自の判断で物件を購入し、想定どおりの収益を得られないケースを見てきました。失敗する人の多くは、アパート経営で外してはいけない条件を見落としています。
アパート投資は、戸建て投資より拡大しやすく、一棟マンションほど投資規模が大きくなりにくい手法です。とくに築20年以上の中古アパートは家賃の下落幅が小さくなり、長期収支を見通しやすい利点があります。ただし、物件固有の落とし穴を知らずに買えば、その利点は生かせません。
狭い間取りは入退去と家賃下落に注意する
最初に確認するのは間取りです。ワンルームや1Kは学生や単身者が主な対象となり、2年や4年といった比較的短い期間で退去する可能性があります。
退去が発生すると、空室期間は家賃が入りません。再募集では管理会社や仲介会社へ家賃2〜3カ月分ほどの広告費を支払うことがあり、クロスなどの原状回復費も必要です。入退去の回転が速いほど、実質的な収支は悪化します。
限られた建築面積を細かく区切れば、戸数が増えて表面上の収益性は高く見えます。しかし、ワンルームや1Kは供給が多く、築年数が進んだ狭い部屋は競争力が落ちます。実際に地方都市では、築35年ほどのワンルームが月1万5,000円で募集されている例もあります。この水準まで家賃が下がると、修繕費の確保も難しくなります。
区分物件も含めた狭い間取りの判断については、医師のワンルームマンション売却|赤字区分を売るか持つかの判断基準も参考にしてください。
地方のアパートは駐車場の台数を確認する
地方都市のアパートでは、駐車場が入居付けを左右します。私は最低でも1戸につき1台を基準にしています。ファミリー向けなら、夫婦がそれぞれ車を所有する可能性があるため、1戸につき2台を確保できる物件が有利です。
広めの間取りと2台分の駐車場を備えた地方物件は、入居が決まりやすい傾向があります。表面利回りが高くても、入居者が必要とする駐車場がなければ空室リスクは高まります。間取りと駐車場は別々に見るのではなく、想定する入居者像とセットで判断してください。
擁壁のある物件は現地調査が必須
物件概要書だけでは把握できない代表的なリスクが擁壁です。建物が崖の上に立っていても、販売資料に十分な記載がなく、現地で初めて分かる場合があります。
擁壁がある土地では、建物を解体して再建築するときに擁壁の補修を求められる可能性があります。補修の要否は、新築建物の図面を市役所の建築担当部署へ提出しなければ判断できないこともあります。
補修費は規模によって数百万円、場合によっては1,000万〜2,000万円になる可能性があります。利回りが16〜18%あり、短期間で投資資金を回収できる物件なら検討余地はあります。しかし、利回り10%前後やそれ以下の擁壁物件は、初心者の1棟目には勧めません。予想外の支出を吸収しにくいからです。
市街化調整区域は再建築の可否まで調べる
市街化調整区域の物件も慎重な確認が必要です。この区域では、同規模の建物を建てられる場合がある一方、地域住民の利益につながる建物に用途が限られることがあります。
条件によってはアパートや戸建てを再建築できず、土地の価値が下がる可能性があります。現在の家賃収入だけでなく、建物を解体した後に何を建てられるのかまで確認しなければなりません。
失敗の入り口にある構造については、不動産投資はやめとけと言われる理由と、医師がカモにされる構造で詳しく書いています。
まとめ
アパート経営で失敗を避けるために確認すべきポイントは、広めの間取り、十分な駐車場、擁壁の有無、市街化調整区域と再建築条件です。販売資料と表面利回りだけで判断せず、必ず現地を確認してください。
不動産には、今回紹介した以外にも物件ごとの注意点があります。自分で知識を身につけたうえで、信頼できる経験者と議論し、条件を一つずつ検証してから購入する姿勢が必要です。基礎から体系的に学びたい方は、初心者からはじめる医師の不動産投資(Amazon不動産投資部門1位)もご覧ください。
よくある質問
アパート経営で失敗を避けるには何を確認すればよいですか?
表面利回りだけで物件を選ばないことが結論です。間取りや駐車場、擁壁の有無、市街化調整区域と再建築条件まで確認し、長期的な収支と出口を考えて購入する必要があります。販売資料だけで判断せず、必ず現地を確認することが大切です。
ワンルームや1Kなど狭い間取りのアパートにはどんなリスクがありますか?
ワンルームや1Kは学生や単身者が主な対象で、2年や4年といった短い期間で退去する可能性があります。再募集では家賃2〜3カ月分ほどの広告費や原状回復費がかかり、入退去の回転が速いほど収支は悪化します。供給も多く、築年数が進んだ狭い部屋は競争力が落ちて家賃下落につながります。
擁壁のあるアパート物件はなぜ注意が必要ですか?
擁壁は物件概要書に十分な記載がなく、現地調査で初めて分かる場合があるためです。再建築の際に擁壁の補修を求められる可能性があり、補修費は数百万円、場合によっては1,000万〜2,000万円になることもあります。利回り10%前後やそれ以下の擁壁物件は、初心者の1棟目には勧められません。
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