中古アパートはいくら儲かる?|3000万円物件の年間手取り

3000万円、表面利回り9%の中古アパートを購入しても、年間270万円の家賃がそのまま手元に残るわけではありません。空室、管理費、原状回復費、ローン返済、固定資産税などを差し引くと、今回のシミュレーションにおける2年目以降の税引後キャッシュフローは年間43万〜53万円です。

この金額だけを見ると、思ったより少ないと感じるかもしれません。しかし、中古アパート投資の利益は毎年の手取りだけでは判断できません。ローン返済による純資産の増加と、出口である売却まで含めて考える必要があります。

私は現役の整形外科医として不動産投資を実践しています。医師が物件を検討するときも、表面利回りだけでなく、保有中と売却時の収支を一体で確認することが重要です。

目次

3000万円・利回り9%の中古アパートを試算

今回の想定は、価格3000万円、築20年程度、軽量鉄骨造、表面利回り9%の中古アパートです。満室想定の年間家賃収入は270万円。自己資金は物件価格の15%を基本に、諸費用を含めて約600万円を投入する設定です。

借入金利は2%前後、融資期間は15年とします。固定資産税は年間約20万円です。仲介手数料や不動産取得税もかかるため、購入初年度のキャッシュフローはマイナスになります。これは購入時にまとまった費用が発生するためです。

賃貸経営では、満室が永遠に続く前提を置いてはいけません。今回の試算では、平均入居期間を3.5年、退去後の募集期間を2カ月、入居者募集の費用を家賃2カ月分、原状回復費を家賃2カ月分として計算しています。

年間手取りを左右する主な支出

  • 空室による家賃収入の減少
  • 定期清掃などの維持管理費
  • 管理会社へ支払う管理費
  • 入居者募集時の広告費
  • 退去後の原状回復費
  • ローンの元金と利息
  • 固定資産税

これらを反映すると、税引後キャッシュフローは2年目が約53万円、3年目以降は年間約43万円という結果です。毎月の手取りに直すと大きな金額ではありません。だからこそ、利回り9%という数字だけで購入を決めるのは危険です。

本当の利益はローン返済と売却まで含めて考える

今回の融資期間は15年です。毎年の返済によって借入残高が減るため、手元の現金とは別に純資産が積み上がります。さらに、購入価格と同程度で売却できれば、保有期間中の家賃収入と元金返済の効果を回収できます。

シミュレーションでは、5年後に3000万円で売却できた場合、購入から売却までの純資産増加額は約570万円です。最初に投入した自己資金約600万円は、約1.96倍になって戻る計算です。

10年後も同じ3000万円で売却できた場合、純資産の増加額は約1600万円です。投入した自己資金に対する資産規模は、約3.67倍になる想定です。

もちろん、将来3000万円で売れることが保証されているわけではありません。この試算が成立する条件は、5年後や10年後にも価格を維持できる物件を選ぶことです。中古アパートの具体的な確認点は、築古アパートの選び方|医師が確認すべき3条件でも解説しています。

中古アパートで利益を残す物件選び

中古アパートの利点は、新築より高い利回りを期待でき、築20年程度を超えると家賃の下落幅が緩やかになりやすいことです。新築時のプレミアム家賃がなく、現在の家賃を基準に収支を組み立てやすくなります。

一方で、築古なら何でもよいわけではありません。出口価格を維持するには、賃貸需要があり、土地価格が上昇傾向にあるエリアを選ぶ必要があります。公示地価などの土地データを地図上で確認し、土地価格の方向性を把握します。土地価格が下落傾向にある地域では、より高い利回りがなければ購入判断は厳しくなります。

入居期間を延ばす工夫も重要です。広めの間取りや、競合と差別化された内装は長期入居につながります。空室期間と募集費用、原状回復費を抑えられれば、年間手取りは安定します。

また、条件のよい物件はポータルサイトへの掲載前に取引されることがあります。不動産会社と継続的に関係を築き、公開前の情報を紹介してもらえる状態をつくることも物件取得の一部です。

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手残りまで見る指標については、表面・実質・ROI・CCRという4つの利回りの使い分けで解説しています。

まとめ

3000万円、表面利回り9%の中古アパートでも、諸経費と返済を引いた年間手取りは約43万〜53万円です。ただし、毎年のキャッシュフローだけで収益性を判断すると、ローン元金の減少による純資産の増加を見落とします。

購入時には、空室率、管理費、募集費、原状回復費、税金、融資条件を織り込みます。そのうえで、5年後や10年後に価格を維持して売却できるかを検証します。インカムゲインと売却時の利益を両方取れる物件を選ぶことが、中古アパート投資の基本です。

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よくある質問

3000万円・表面利回り9%の中古アパートを買うと、年間手取りはいくらになりますか?

記事のシミュレーションでは、空室や管理費、原状回復費、ローン返済、固定資産税などを差し引いた税引後キャッシュフローは、2年目が約53万円、3年目以降は年間約43万円です。年間家賃270万円がそのまま手元に残るわけではありません。

中古アパート投資の本当の利益は、毎年の手取りだけで判断してよいですか?

毎年の手取りだけでは判断できず、ローン返済による純資産の増加と売却まで含めて考える必要があります。試算では5年後に3000万円で売却できた場合の純資産増加額は約570万円で、自己資金約600万円が約1.96倍になる計算です。

売却時に価格を維持できる中古アパートは、どのように選べばよいですか?

賃貸需要があり、土地価格が上昇傾向にあるエリアを選ぶことが必要です。公示地価などの土地データを地図上で確認し、価格の方向性を把握します。土地価格が下落傾向の地域では、より高い利回りがなければ購入判断は厳しくなります。

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