新築アパート投資は、条件を正しく選べば利益を出せます。しかし、初心者が「新築なら入居が決まり、長期間安定して稼げる」と考えて購入するのは危険です。
現役の整形外科医として不動産投資を実践している私の結論は、新築アパートは不動産投資の中でも難易度が高いということです。低利回りの建売物件を買い、家賃下落や空室を見落とせば、返済後の収支が簡単に崩れます。
この記事では、新築アパート投資のメリットと落とし穴、利益を残すための考え方を解説します。
新築アパート投資のメリット
新築アパートには、入居者に選ばれやすいというメリットがあります。インターホンやオートロックなどの設備を導入しやすく、内装やデザインも新しいためです。
建築後しばらくは維持費や修繕費も抑えやすくなります。保証が付いていれば、設備などの不具合を施工会社やメーカーが対応する場合もあります。中古物件と比べて、購入直後に大規模な修繕が発生しにくい点は明確な強みです。
さらに、新築は銀行評価が出やすく、長期融資を組みやすい傾向があります。30年のフルローンやオーバーローンを利用できる場合は、月々の返済額を抑えられます。ただし、返済期間が長ければ支払う金利の総額は増えます。融資期間の長さだけで判断せず、利回りとのバランスを見る必要があります。
新築アパート投資で見落としやすい4つの落とし穴
低利回りではランニングコストを吸収できない
新築だから利回りが低くてもよい、という考えは誤りです。たとえば利回り5%程度の物件では、金利、固定資産税、火災保険、地震保険などを差し引くと、十分な利益を残しにくくなります。
新築物件は、万一の火災で失う金額も大きいため、保険を適切にかける必要があります。表面利回りだけではなく、運営中に継続して発生する費用まで計算してください。
ワンルームや1Kは退去コストが重くなる
新築でも退去と空室は発生します。特にワンルームや1Kは、2年や3年で退去される可能性があります。空室期間は家賃が入らず、次の入居者を募集する際には、業者へ家賃2カ月分程度の広告費を支払うこともあります。
狭い間取りほど入退去の回数が増えれば、そのたびに原状回復費や募集費が発生します。満室時の収入だけで収支を組むべきではありません。
新築プレミアムが外れると家賃が下がる
新築時の家賃には新築プレミアムが含まれています。新築時に8万円で貸せても、プレミアムが外れれば7万5,000円や7万3,000円になることがあります。築5年、築10年と経過すれば、さらに家賃下落を考慮する必要があります。
販売業者の収支表が、30年間家賃が下がらない想定になっている場合は注意してください。現在の家賃を固定した試算ではなく、家賃下落と空室を織り込んだシミュレーションが必要です。
建売アパートには業者の利益が上乗せされる
建売アパートの価格には、土地代と建築費だけでなく、業者の利益が上乗せされています。たとえば3,000万円の土地に7,000万円の建物を建てた場合、原価は合計1億円です。建売では、そこへ1,000万円、2,000万円、あるいはそれ以上の利益が加わることがあります。
購入した時点で数千万円の利益が業者側に移っていれば、投資家の利回りは低くなります。新築建売を検討する際は、新築建売が売れない時期に投資家が取るべき戦略も併せて確認してください。
新築アパートで利益を残すための条件
新築で最も利益を出しやすい方法は、自分で土地を仕入れ、施工会社を選んで建築することです。中間マージンを抑えられるうえ、間取り、内装、共用部分などに工夫を加えられます。
ただし、土地から新築すれば自動的に成功するわけではありません。よくある間取りと内装では競合物件との差別化ができず、新築でも入居が決まらないことがあります。実際、14戸のアパートが完成から3カ月たっても一室も埋まっていない事例があります。融資実行から半年後に返済が始まり、家賃収入がなければ、毎月の返済だけが発生します。
新築では、次の点を建築前に確認します。
- その地域に十分な賃貸需要があるか
- 想定する入居者に間取りが合っているか
- 内装や設備で競合物件と差別化できるか
- 家賃下落や空室を含めても返済できるか
- 建築費と土地代に対して利回りが確保できるか
これらを自分で判断するには、賃貸経営と建築の知識が必要です。初心者は、まず中古アパートや中古戸建てで経験を積み、運営のノウハウを蓄積してから新築へ進む方が安全性は高くなります。
なぜ医師ばかりが狙われるのかは、医師がカモにされる構造を実例つきで解剖した記事にまとめています。
まとめ
新築アパートは、設備の新しさ、修繕費の少なさ、長期融資の組みやすさが魅力です。一方で、低利回り、退去コスト、新築プレミアムの消失、建売価格の中間マージン、賃貸需要の見誤りという落とし穴があります。
「新築だから儲かる」のではなく、家賃が下がっても利益を残せる価格と設計になっている物件が儲かります。建売を買う場合も、土地から建てる場合も、長期収支と賃貸需要を確認してから判断してください。
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よくある質問
新築アパート投資は初心者でも儲かりますか?
新築アパートは不動産投資の中でも難易度が高い投資です。入居者に選ばれやすい利点はありますが、低利回りの建売物件を買い、家賃下落や空室を見落とすと返済後の収支が崩れます。家賃が下がっても利益を残せる価格と設計の物件かどうかが重要です。
新築アパート投資にはどのような落とし穴がありますか?
低利回りでは金利や税金、保険などの費用を吸収できないこと、ワンルームや1Kの退去コスト、新築プレミアムが外れた後の家賃下落、建売価格に上乗せされた業者の利益、賃貸需要の見誤りが挙げられます。家賃下落と空室を織り込んだ試算が必要です。
初心者はいきなり新築アパートを建てても大丈夫ですか?
初心者は、まず中古アパートや中古戸建てで経験を積み、運営のノウハウを蓄積してから新築へ進む方が安全性は高くなります。土地から新築すれば中間マージンを抑えられますが、賃貸需要や間取り、競合との差別化などを判断するには賃貸経営と建築の知識が必要です。
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