高所得の医師が生涯の手取りを増やすには、税金の仕組みを理解し、使える所得控除を漏れなく活用することが第一歩です。そのうえで事業所得や不動産所得を得ているなら、事業に必要な支出を適切に経費計上します。
私は現役の整形外科医として働きながら不動産投資を実践し、年間家賃収入3,000万円を得ています。その経験から断言できるのは、節税は知識の差が手残りの差になるということです。ただし、不動産を節税だけで選んではいけません。収益性を優先することが大前提です。
高所得の医師ほど税金の仕組みを知るべき理由
所得税には、所得が増えるほど税率が上がる累進課税制度があります。さらに近年は、高所得者に対する基礎控除や配偶者控除、児童手当などの条件も厳しくなっています。同じように働いていても、制度を理解していなければ手取りは減っていきます。
税額を考える際の基本は、総収入から所得控除を引いて課税所得を求め、その課税所得に税率を掛けるという流れです。勤務医が最初に見直せるのは、主に所得控除の部分です。
たとえば控除額が100万円増え、所得税と住民税を合わせた税率が約40%の人なら、税負担は約40万円変わります。小さな確認でも、長期では大きな差になります。
勤務医が確認したい7つの節税対策
扶養控除
所得の低い親族を扶養している場合に利用できる控除です。対象になり得る親族がいるなら、扶養の条件を確認します。家族構成によっては節税効果が大きくなります。
医療費控除
世帯の医療費が年間10万円を超えた場合に検討する制度です。生計を同じくする別居の親族に支払った医療費や、出産に伴う費用も対象になり得ます。領収書や支払記録を残しておくことが重要です。
生命保険料控除と地震保険料控除
生命保険料控除は、対象となる生命保険や介護医療保険などの保険料について、合計最大12万円の所得控除を受けられる制度です。保険会社から届く控除証明書を保管します。
地震保険料も最大5万円が所得控除の対象になります。自宅を所有している人は契約内容を確認してください。
iDeCoと小規模企業共済等掛金控除
iDeCoの掛金は全額が所得控除の対象です。一方で運用によって資産額が増減し、原則として60歳まで引き出せません。節税効果だけでなく、資金拘束と運用リスクを理解して利用します。
法人で事業を行う人は、小規模企業共済も有力な選択肢です。掛金は月額最大7万円で、個人の所得税や住民税を計算する前の所得から控除できます。
ふるさと納税
ふるさと納税は、高所得の医師が取り組みやすい制度です。ただし、控除には年収や家族構成などに応じた上限があります。上限を超えた寄付は自己負担になるため、事前の計算が欠かせません。
特定支出控除
通勤費や研修費などの特定支出が給与所得控除額の半分を超えた場合、超過部分を控除できる制度です。ただし、実際の利用には条件があり、運用のハードルは高めです。
まず優先したいのは、扶養控除、医療費控除、ふるさと納税の3つです。勤務医でも確認しやすく、家族構成や支出によっては年間数十万円の差につながります。
経費を使うには給与以外の所得が必要
経費の強みは、税金が引かれる前の収入から事業に必要な支出を差し引けることです。ただし、勤務医の給与所得には原則として自由な経費計上が認められません。
経費計上が可能になり得るのは、事業所得、不動産所得、雑所得です。医師の場合、不動産賃貸、継続的な講演や執筆、コンサルティング、遠隔読影などが該当する可能性があります。いずれも事業との関連性が必要で、私的な飲食費や交通費を安易に経費にすることはできません。
また、産業医や外勤先での勤務による報酬を、形式だけ変えて事業所得として扱うべきではありません。所得区分を自己判断せず、税金に詳しい税理士へ確認することが重要です。
不動産投資は節税ではなく収益性で判断する
不動産所得では、賃貸経営に必要な支出を経費にできます。個人で物件を所有した場合、不動産所得の赤字を給与所得と損益通算できるケースもあります。
しかし、節税を目的に不動産を買うのはNGです。「節税になります」という説明だけで収益性の低い新築ワンルームマンションなどを購入すると、税負担の軽減額を上回る損失が出ます。
不動産投資では、家賃収入と売却まで含めて利益が残る物件を選びます。減価償却と節税の関係は、医師の不動産投資は節税になる?減価償却の罠と「本当の節税」を解説でも詳しく解説しています。また、購入前に売却方法まで決める考え方は、不動産投資は出口戦略で決まるをご覧ください。
節税額そのものが期待外れになるケースは、ワンルームの節税効果を実際の数字で検証した記事で数字を出しています。
まとめ
医師の節税対策は、所得控除を漏れなく使うことから始まります。扶養控除、医療費控除、保険料控除、iDeCo、ふるさと納税などを確認したうえで、事業所得や不動産所得がある人は適切な経費計上を検討します。
税金の知識を持ち、毎年の手残りを数十万円単位で改善できれば、生涯では2,000万円以上の差になり得ます。一方、不動産投資では節税を主目的にせず、家賃収入と出口戦略を含む収益性を最優先にしてください。
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よくある質問
医師が節税で生涯の手取りを増やすには何から始めればよいですか?
まず税金の仕組みを理解し、扶養控除や医療費控除などの所得控除を漏れなく活用することが第一歩です。そのうえで事業所得や不動産所得がある場合は、事業に必要な支出を適切に経費計上します。毎年の手残りを数十万円単位で改善できれば、生涯では2,000万円以上の差になり得ます。
勤務医が優先して確認すべき節税対策はどれですか?
扶養控除、医療費控除、ふるさと納税の3つを優先するとよいです。勤務医でも確認しやすく、家族構成や支出によっては年間数十万円の差につながります。そのほかに生命保険料控除や地震保険料控除、iDeCo、特定支出控除なども確認する価値があります。
医師が節税目的で不動産投資をするのは有効ですか?
節税を主目的に不動産を買うのは避けるべきです。節税になるという説明だけで収益性の低い新築ワンルームマンションなどを購入すると、税負担の軽減額を上回る損失が出ます。家賃収入と売却までを含めて利益が残る物件を、収益性を最優先に選ぶことが大前提です。
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