医師の金利戦略|住宅ローンは変動・不動産投資ローンは利回りで守る【変動vs固定】

「これから金利はどんどん上がる。だから固定金利のほうが安心だ」——最近こうした声をよく耳にします。テレビやYouTubeでも、一般の方には固定金利をすすめる論調が増えてきました。ですが、年収1000万〜1500万円を超える医師のように、ある程度強固な属性を持つ方が、その一般論をそのまま鵜呑みにすると、かえって損をしてしまうことがあります。

私は現役の整形外科医をしながら、2019年に不動産投資を始め、現在はアパート9棟と戸建て5軒を保有し、年間の家賃収入は3000万円を超えました。今は週1回の勤務で医師を続けながら、毎月200名以上の医師に不動産投資をお伝えしています。この記事では、住宅ローンと不動産投資ローンそれぞれで「変動か固定か」をどう考えるべきか、私自身の投資家としての視点で整理します。

「怖いから固定」は、資産形成ではブレーキになりうる

結論から言うと、リスクを取りづらい一般の家庭にとって固定金利が無難、という考え方は理解できます。ですが、本業の収入が安定している高属性の方が「怖いから」という理由だけで固定を選ぶと、資産形成のスピードを自分で落としてしまう可能性があります。

まず前提として、変動金利と固定金利の性質の違いを整理しておきます。

  • 変動金利…市場や政策金利の動きに応じて返済中に金利が見直される。スタートの金利は低いが、将来上がる可能性を借り手が引き受ける。
  • 固定金利…借入期間中(または一定期間)の金利が変わらない。返済額が読めて安心だが、その安心のぶんだけスタートの金利は高く設定される。

日本の住宅ローンでは、およそ8割の方が変動金利を、残り2割の方が固定金利を選んでいると言われています(※割合は時期により変動します)。固定を選ぶ2割の方の多くは、「将来、市況によって金利が上がり、返済額が増えて生活が苦しくなるのは嫌だ」という理由からです。

変動と固定の「差」は、実質的に保険料である

2026年時点の目安として、住宅ローンの変動金利は最優遇でおおむね0.9〜1.1%台、固定金利はそれより1%前後高い水準にあります(※金利は金融機関・時期で大きく変わるため、必ず最新の数値をご確認ください)。2026年6月には日本銀行が政策金利を1.0%程度へ引き上げており、変動・固定ともに上昇傾向が続いています。

この差額が何を意味しているかというと、「将来、金利が上がっても返済額が変わらない」という安心を買うために、銀行へ前払いしている保険料のようなものです。毎月の家計が数十万円のプラスで回っていないなら、この保険料を払って安心を確保する選択もあり得ます。

ただし注意したいのは、その保険料が住宅ローンなら30年・35年と長く続くという点です。金利の考え方として、1%の金利差は、借入期間が長いほど効いてくるという性質があります。長期で借りるほど、金利差の影響を受ける年数も長くなるからです。

長期で借りるか短期で借りるかにはそれぞれメリット・デメリットがありますが、住宅ローンのように長期で借りる場面で、最初から高い固定金利を選び、それを払い続けるのは、資金効率の観点からはやや非効率だと私は考えています。

住宅ローンは、そもそも急には上げにくい

もう一つ、住宅ローンの変動金利について大事な視点があります。それは「影響を受ける人が多すぎて、銀行や政策の側も急激には上げにくい」という構造です。

不動産投資をしている人は一部ですが、マイホームを住宅ローンで買っている人は非常に多く、その8割が変動金利を選んでいます。住宅ローンの変動金利を一気に引き上げれば、余力ギリギリで物件を購入した家庭が、金利がわずかに上がっただけで生活が破綻しかねません。だからこそ、住宅ローンの変動金利は、不動産投資ローンほどはバンバン上がりにくいと見られています。

以上を踏まえて、住宅ローンについては、私は2026年の現状では変動金利をおすすめしています。大多数が選んでいる側に乗っておくほうが、この局面では無難だという判断です。

不動産投資ローンで効いてくるのは「利回り」との比率

では、不動産投資家が引く「事業性ローン」ではどう考えるか。こちらも投資家の約8割が変動金利を選んでいます。ここで金利が0.5%や1%上がったときに本当に苦しくなるのは、次のような人です。

  • 不動産投資「だけ」で生計を立てている専業家
  • 低い利回りで、高値掴みをして物件を買ってしまった人

ポイントは、金利上昇分が「利回りに占める割合」で見ると影響がまったく違うことです。ここでいう利回りは、家賃収入÷物件価格の「表面利回り」で考えてください(実際の手残りは、返済・経費・税金を引いた後の実質で見ます)。

  • 表面利回り6%の物件で金利が0.5%上がる → もともと薄い利益をさらに削られ、手残り(キャッシュフロー)への打撃が大きい。
  • 表面利回り10%の物件で金利が0.5%上がる → 利幅に余裕があるぶん、同じ0.5%でも吸収しやすい。

同じ「0.5%の上昇」でも、低利回りの物件では致命傷になり、高利回りの物件では誤差のうちに収まる。だから私は、金利の局面がどうであれ、基本的に利回りの高い物件を取りにいくことをおすすめしています。

不動産は、金利以外のランニングコストも重い

不動産投資で見るべきコストは金利だけではありません。融資の元本返済に加えて、次のような経費が継続的にかかります。

  • 火災保険…近年上昇傾向。物件規模によって数十万円〜数百万円単位でかかることがある(※保険料は物件・補償内容・契約年数で大きく変わるため要確認)。
  • 固定資産税・都市計画税…保有している限り毎年発生。
  • 広告料(客付け)…空室を埋めてくれた不動産業者へ支払う費用。
  • 原状回復・リフォーム…退去が出れば、壁紙・床の張り替え、汚れたキッチンなど水回りの交換など。
  • 所得税・住民税…家賃収入にかかる税金。

低利回りの物件は、金利上昇の影響もランニングコストの影響も、利幅に対して相対的に大きくのしかかります。逆に利回りに厚みがあれば、これらを吸収しながら融資の返済も進み、キャッシュフローも残ります。

本業がある医師こそ、金利上昇に強い

私はこれまで300人以上の方とZoom面談をしてきましたが、どれだけ家賃収入があっても「医師の仕事を完全にゼロにしたい」という方はほとんどいません。医師の仕事にはやりがいがあり、資格職として積み上げてきたコストもあり、患者さんを救う仕事は自分の価値にもつながるからです。

「卵は複数のかごに持て」と言うように、本業という太い柱があり、その上に副業として複数の収入の柱を持っておくことは、人生全体の安定につながります。私自身も整形外科医を辞めずに続けているのは、そのためです。

ここが本業を持つ医師の強みです。不動産投資だけで生計を立てる専業家は、金利がじわじわ上がる局面で苦しくなりやすい。一方、本業の収入が担保されていて、なおかつ高利回りの物件を持っていれば、多少出費が増えてもキャッシュフローで十分に吸収できます。

金利上昇局面こそ「買い場」になりうる

「金利が上がっているから、今は不動産の買い時ではない」——そう身構える方は多いです。ですが、私はむしろ逆だと考えています。

金利が上がると、低利回りで無理をしていた専業家の中に、生計が成り立たなくなって物件を投げ売りする人が出てきます。そのとき、自己資金と属性を活かせる高属性の投資家は、平均的なサラリーマンより良い条件で融資を引きながら、割安になった良い物件を買い集めることができます。市況が良くても悪くても淡々と買っていく——積み立てのインデックス投資と同じ発想です。

私自身も、半年から1年に1棟のペースで買い進めてきました。相場より安い価格で、厳密に投資として見極めて買っているので、買って後悔した物件はほとんどありません。私が教えている医師の方々にも、物件を買って深刻なトラブルになった人は出ていません。知識と経験を持って買えば、変な物件をつかむことは避けられますし、多少微妙な物件でも、利回りが高ければ融資の返済が進み、時間が問題を解決してくれます。

2028年に金利1.75%? 予測に振り回されないための考え方

昨年・今年と、日銀の政策を背景に0.1〜0.15%刻みで金利が少しずつ上昇してきました。この流れから「2028年には金利が1.75%まで上がる」といった予測も語られています。ただし、こうした将来予測はあくまで一つの見方であり、そのとおりになると断定はできません。実際の金利は政策や経済情勢しだいで上下する可能性があります。

大切なのは、数字の予測に一喜一憂して固定に飛びつくことではなく、どんな金利局面でも耐えられる物件(=利回りの厚み)と、本業という土台を持っておくことです。金利が読めないからこそ、利回りとキャッシュフローで守るという発想が効いてきます。

まとめ

  • 住宅ローンは、2026年の現状では変動金利が基本。影響を受ける人が多いぶん急には上げにくく、長期借入では固定の割高な金利がボディブローになりやすい。
  • 固定と変動の金利差は「安心の保険料」。家計に余裕がある高属性の人が、怖さだけで払い続けるのは資金効率が悪い。
  • 不動産投資ローンは、金利より「利回りとの比率」で考える。低利回り・高値掴みは金利上昇に弱く、高利回りは同じ上昇幅を吸収できる。
  • 本業のある医師は金利上昇に強い。むしろ上昇局面は割安物件を買い集めるチャンスになりうる。
  • 不動産は時間を味方につける事業。興味があるなら、早く始めるほど負けにくくなる。

金利の予測は誰にも正確には当てられません。だからこそ、予測に賭けるのではなく、利回り・キャッシュフロー・本業という「崩れにくい土台」で組み立てる。これが、私が高属性の医師の方々にお伝えしている金利戦略の芯です。

「不動産投資に興味はあるけれど、最初の一歩が踏み出せない」という医師の方に向けて、私は無料のウェブセミナーやプログラムで、体系立てて不動産投資をお伝えしています。まずは動画とあわせて、下記の公式サイトもご覧ください。

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