医師の資産防衛術|現金・株だけでは資産が溶ける時代の「不動産という第三の選択肢」

「現金で持っていれば安全」——本当にそう言い切れるでしょうか。2026年のいま、市場は不気味なほどの歪みを抱えています。建築費や生活必需品は上がり続け、家賃もじわじわと上昇する一方で、株価は実体経済とかけ離れたまま乱高下を繰り返しています。こうした局面で多くの人が損をし、ごく一部の人だけが資産を大きく増やします。現役の整形外科医として週1勤務のかたわらアパート9棟・戸建て5軒を運営し、年間家賃収入3000万円を得ているDr.いなせが、暴落局面を「人生最大のボーナス」に変える資産防衛の考え方を解説します。

2026年の相場が抱える「歪み」とは

歴史を振り返ると、実体経済と資産価格が大きく乖離した「不健康な緊張状態」のあとには、しばしば大きな調整(金融危機)が訪れてきました。いまがまさにその緊張状態にあると私は見ています。インフレで物価が上がるのに、賃金や医師の年収がそれに追いつかない。株価だけが業績の裏づけなく膨らんでいく。こうした環境では、「何もしないこと」も「流行に飛びつくこと」も、どちらもリスクになります。

誤解のないように申し添えると、私は「暴落が必ず来る」と煽りたいわけではありません。来るか来ないかを当てにいくのではなく、どちらに転んでも耐えられる資産の置き方をしておく——これが本題です。

多くの人が落ちる「2つの罠」

金融不安が意識されると、多くの人は極端な行動に走ります。しかし2026年の相場では、その両極端がどちらも危険だと私は考えています。

罠その1:全額を現金で持つ(=ゆるやかに溶ける)

「怖いから全部現金で」という守り方は、一見安全に見えて、実はゆっくりと資産が目減りしていく選択です。日本はデフレを脱し、体感の物価上昇率は年3〜4%、あるいはそれを超える勢いになっています。現金の額面は変わらなくても、お金で買えるモノの量(実質的な価値)は毎年減っていくのです。

数字にすると分かりやすいと思います。仮に5000万円を銀行口座に寝かせておくと、物価が年3〜4%上がる環境では、実質的な価値は毎年150万〜200万円ずつ目減りしていく計算です(5000万円 × 3〜4%)。「減っていない」ように見えて、じわじわと購買力が溶けていく。現金は安全資産ではなく、インフレ下ではむしろ放っておくと腐っていく資産になり得ます。

罠その2:株に全振りする(=一瞬で崩れる)

私が面談させていただく医師の方は、金融リテラシーが高く、ほとんどの方が株式投資をされています。ここ数年は株価が伸び続けてきたので、「とりあえずインデックス投資をしておけば大丈夫」という感覚を持つのも自然なことです。

ただ、インフレ対策として資産を株に全振りするのは、私は危険だと考えています。実体経済から乖離して膨らんだ株価に飛びつけば、調整局面で一気に含み損を抱えることになります。しかも厄介なのは、株価の低迷は必ずしも短期で終わらないことです。日本のバブル崩壊後を思い出せば、株価が10年、20年にわたって戻らない時期は現実にありました。その長い期間、株だけに賭けて耐え続けられるでしょうか。私自身、かつて現物株で100万円ほどの含み損を抱えたとき、日々の値動きが気になって仕方がなく、数万円上がった下がったで一喜一憂する自分にストレスを感じました。本業を持つ人にとって、この精神的コストは想像以上に重いものです。

なぜ私は「不動産」という第三の選択肢を選んだのか

株もFXも、時間とセンスをかけてプロ級に極められる人なら大いにやればいい。しかし、本業を持つ医師の多くはトレードの専門家ではありません。だとすれば、自分の知識・経験・強みが生きるフィールドで戦うべきだ——27〜28歳で投資を始めたとき、私はそう考えて不動産にたどり着きました。

決め手は、他人にコントロールされるものに自分の資産を預けたくないという一点でした。株価は自分ではどうにもできません。一方で不動産は、価格交渉・リフォームの判断・入居募集の工夫など、自分の努力と判断が結果に直結します。しかも土地と建物という現物が残る。値動きに振り回されず、コントロールできる余地が大きいのです。

不動産は「投資」であり「経営」——利回りの見方に注意

不動産は、投資と事業のちょうど中間にある存在だと私は捉えています。安く買って高く売る、その保有期間中に家賃を得る。市場の歪みを見つけて安く仕入れ、必要な手だけを打って価値を引き出す——これは立派な経営行為です。

ここで投資家として絶対に押さえたいのが、「表面利回り」と「実質(手残り)」を混同しないことです。物件広告に載る利回りは、たいてい「年間家賃 ÷ 物件価格」で計算した表面利回り。ここから次のような経費を引いて初めて、実際に手元に残るキャッシュフロー(実質利回り)が見えてきます。

  • 退去時の原状回復・修繕費、設備の交換費用
  • 入居付けのための広告料(AD)・仲介手数料
  • 固定資産税・都市計画税
  • 共用部の電気・清掃などのランニングコスト、管理委託料
  • そして最後に、所得税・住民税

たとえば私が21万円で買った築40年超の戸建ては、再生後に月5.3万円で貸し出し、表面利回りは30%を超えます。地方築古の破壊力を示す実例ですが、これも上記の経費を引いた「手残り」で見なければ本当の実力は測れません。数字の見かけだけで飛びつかない——これが業者に振り回されないための第一歩です。

「経営者の目線」が手残りを左右する

手残りは、経営判断の巧拙で大きく変わります。分かりやすいのが空室時のリフォームです。5年10年入居があった部屋が空くと、管理会社からは「壁紙も天井も床も張り替え、キッチンも交換して、ウォシュレットやインターホンも付けましょう」とフルリフォームを勧められがちです。理由は単純で、リフォーム費用の一部が管理会社のマージンになるから。気持ちは分かりますが、言いなりになれば手残りは削られていきます。

家賃4万円前後の物件で、入居者はそこまでフル装備を求めていません。天井はそもそも見ませんし、壁も極端に汚れていなければ気になりません。キッチンの多少の汚れは、ビニールシートを貼るといった工夫で十分カバーできます。絞るべきところは絞り、かける広告料(AD)はきちんとかけて入居を決める。この経営者としてのメリハリが、そのまま実質利回りに跳ね返ってくるのです。

医師こそ「土地・建物」というアセットを持つべき理由

株の暴落に100%さらされている状態は危うい。だからこそ、資産の一部を不動産という別のアセットで持っておくべきだと私は考えます。世の中には、本業の店舗はさほど儲かっていなくても、保有不動産の家賃収入があるおかげで持ちこたえている企業が数多くあります。土地持ち・建物持ちは強い——これはインフレ局面でいっそう際立ちます。物価上昇とともに、土地の価格も建物の再調達コストも上がっていくからです。

とりわけ医師の方に意識していただきたいのが、今後、年収が大きく上がる前提は置きにくいという現実です。医療費が膨らみ、高齢者が増え、出生率の低下で税収が細っていく。そのなかで医師の給与だけが右肩上がりに伸びると考えるのは、論理的に難しいと言わざるを得ません。医療は国のインフラであり、給与水準は公務員に近い動き方——据え置き、あるいはゆるやかな下降——になっていく可能性が高いと私は見ています。

だからといって、土日にバイトを入れ、夜勤を重ねて労働時間で稼ぎ続ける人生が理想でしょうか。家族との時間を削ってまでお金のために働き続けるのは、私は最ももったいない生き方だと思います。放っておいても家賃が入り、その家賃が融資の返済を進め、勝手に資産形成が進んでいく——不動産のこの「勝手に働いてくれる」性質こそ、時間の自由を取り戻す土台になります。私自身、不動産という土台があったからこそ、宿泊(旅館業)事業をはじめ、いくつもの新しい挑戦に踏み出すことができました。正直に言えば、しっかり設計した事業のほうがお金の増えるスピードは速い。それでも、放置に近い形で資産が積み上がっていく不動産の「イージーさ」は、本業を持つ人にとって何物にも代えがたい価値があります。

「今は高い・金利も上がっている」は、始めない理由にならない

「価格が高騰しているから」「金利が上がっているから」、いまは買い時ではないのでは——そうおっしゃる方がいます。しかし、その考え方こそが、実は動けない人・成果を出せない人の典型だと私は感じています。相場が良いときも悪いときも淡々と積み立てるインデックス投資と同じで、不動産も、時期を選り好みせず、状況に合わせて買い進めていくもの。止まっていて資産が育つことはありません。

ただし、勢いだけで脳死で買えば成功する、という話では決してありません。前述のとおり、利回りの読み方一つ、リフォームの判断一つで結果は大きく変わります。だからこそ、正しい知識と実践のノウハウを身につけたうえで踏み出すことが、遠回りに見えて一番の近道になります。

まとめ

  • インフレ下では、現金は「ゆるやかに溶ける資産」。5000万円は年150〜200万円ずつ実質価値が目減りしうる
  • 株への全振りは、実体経済から乖離した局面では一瞬で崩れるリスク。低迷は10〜20年続くこともある
  • 本業を持つ人は、自分の知識と努力が結果に直結し、他人にコントロールされない不動産という第三の選択肢を持つべき
  • 利回りは「表面」と「実質(手残り)」を必ず区別する。経営者目線のメリハリが手残りを左右する
  • 医師の年収が伸びにくい時代だからこそ、土地・建物という強いアセットで時間と経済の自由を取り戻す
  • 「今は高い」は始めない理由にならない。ただし知識を身につけたうえで進むこと

暴落や相場の歪みは、備えのない人には脅威ですが、正しく準備した人にとっては「人生最大のボーナス」になり得ます。医師の不動産株式会社では、医師一人ひとりの状況に合わせた不動産投資戦略のご提案から、市況を共有する医師限定コミュニティの運営まで、資産形成を総合的にサポートしています。まずはお気軽にご相談ください。

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