医師が不動産投資を始める際、自己資金は一律に物件価格の2割、3割と決める必要はありません。私の結論は、自己資金を一つの高額物件に集中させず、医師の信用力を生かして複数の物件へ分散していくことです。
「500万円程度で始められる」という意見も、「物件価格の2〜3割が必要」という意見も、前提となる投資戦略が違うだけです。重要なのは金額そのものではなく、何を目的に、どの物件を、どの順番で購入するかです。
自己資金500万円と2〜3割で意見が分かれる理由
自己資金500万〜600万円程度という考え方は、安定した家賃収入、つまりインカムゲインを重視する戦略から出てきます。都心から少し離れたエリアで、利回り8%以上など比較的収益性の高い物件を狙い、医師の信用力を活用して融資を受ける方法です。
この戦略では、毎月のキャッシュフローだけでなく、入居者から得た家賃によって融資の元本返済が進むことも重視します。多忙な医師が本業の傍らで実践しやすく、同じ基準で次の物件を検討できる再現性の高さが特徴です。
一方、自己資金を物件価格の2〜3割投入する考え方は、都心や副都心などの低利回り物件を購入し、将来の値上がり益を狙う戦略でよく使われます。物件価格が2億円、3億円になれば、取得時の税金、固定資産税、保険料、空室損失、修繕費も大きくなります。初めての一棟でこの規模に挑む場合、購入後の支出に耐えられる十分な資金余力が欠かせません。
低利回り物件への自己資金集中には注意が必要
例えば、価格1億円、利回り5%の物件に自己資金3000万円を投入し、5年後に利回り4.5%で売却できれば、キャッシュフローと合わせて約5000万円の利益になるという試算があります。10年後なら約6360万円という計算です。
ただし、この試算は予定した価格で売却できることを前提にしています。5年後、10年後の市況や金利、買い手の需要は確定していません。家賃が下落すれば、利回りから逆算される物件価格も下がります。購入時より低い利回りで売却できる保証もありません。
キャピタルゲインを主目的にすると、市場動向を常に確認し、売却時期を判断する必要もあります。本業が多忙な医師にとって、時間面と精神面の負担が大きい投資です。立地の良さや所有したときの満足感と、利益を得やすいことは分けて考えるべきです。
売却まで含めた判断については、不動産投資は出口戦略で決まる|「買う前に売り方を決める」究極の考え方でも詳しく解説しています。
医師が自己資金を最も効率よく使う方法
私が勧めるのは、500万〜600万円ほどの自己資金を一棟へ過剰に投入するのではなく、信用力と融資を活用しながら、2000万〜3000万円程度の物件を購入できる可能性を探る方法です。その後も1〜2年に一棟ほどのペースを目安に、安定した物件を増やしていきます。
この方法には三つの利点があります。
- 医師の信用力を生かせるため、限られた自己資金で自己資本収益率を高められます。
- 物件を分散できるため、一つの物件で空室や家賃下落が起きた場合の影響を抑えられます。
- 家賃収入と売却益を両立できるため、市況の上昇だけに依存しない資産形成ができます。
物件選定では、利回りだけでなく土地の価値も確認します。私は1700万円で購入した利回り11%超の物件を保有しています。この物件は、土地として売却する場合に4800万〜5000万円程度の価値が見込める一方、空室や修繕費が発生せず、手間のかからない運営が続いています。
つまり、インカムゲインを確保しながらキャピタルゲインを狙うことは可能です。値上がりだけを予想するのではなく、家賃収入、土地の価値、出口の選択肢を購入前にそろえることが重要です。物件の見極め方は、資産価値が下がらない物件とは?医師の不動産投資で「負けない物件」を見極める4つの基準も参考にしてください。
まとめ
医師の不動産投資に必要な自己資金は、500万円か物件価格の2〜3割かという二択ではありません。低利回りの高額物件へ資金を集中させるより、医師の信用力を生かし、収益性と土地価値を備えた物件へ段階的に分散する方が合理的です。
自己資金の額だけで判断せず、購入後の税金や修繕費に耐えられる余力、家賃収入、融資返済、売却方法まで確認してください。知識を得るだけでなく、実際に不動産投資を行っている人へ相談しながら物件を選ぶことが、失敗を避けるための基本です。
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よくある質問
医師の不動産投資に必要な自己資金は500万円と物件価格の2〜3割のどちらですか?
どちらか一方に決める必要はありません。自己資金を一つの高額物件に集中させず、医師の信用力と融資を活用して、収益性と土地価値を備えた物件へ段階的に分散する方が合理的です。重要なのは金額そのものではなく、何を目的に、どの物件を、どの順番で購入するかです。
自己資金の目安が500万円と物件価格の2〜3割で意見が分かれるのはなぜですか?
前提となる投資戦略が違うためです。500万〜600万円という考え方は、利回り8%以上の物件で家賃収入を重視する戦略から出てきます。一方、2〜3割を投入する考え方は、都心などの低利回り物件で値上がり益を狙う戦略で使われ、購入後の支出に耐える資金余力が欠かせません。
医師が自己資金を最も効率よく使うにはどうすればよいですか?
500万〜600万円ほどの自己資金を一棟に過剰に投入せず、信用力と融資を活用して2000万〜3000万円程度の物件を購入し、その後も1〜2年に一棟ほどのペースで増やす方法が有効です。信用力を生かせる、物件を分散できる、家賃収入と売却益を両立できるという三つの利点があります。
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