「物件価格は高すぎるし、金利も上がってきている。不動産投資はもうやめたほうがいい」——SNSでこんな警告を見かけて、一歩が踏み出せずにいる先生は多いのではないでしょうか。結論から言うと、この警告は正しくもあり、間違ってもいます。一般的な年収の投資家にとって厳しい局面であることは事実です。しかし、医師をはじめとする高属性の方にとっては、むしろライバルが減っていく好機だと私は考えています。
申し遅れました。不動産投資メンターのDr.いなせです。私は整形外科医として働きながら不動産投資を続け、現在は週1勤務まで本業を減らし、アパート9棟・戸建て5軒、年間の家賃収入は3000万円を超えました。いまは毎月200名以上の医師に向けて不動産の勉強会や個別コンサルを行っています。この記事では、「なぜ今、一般の投資家が撤退しているのか」「その状況が医師にとってなぜチャンスなのか」を整理してお伝えします。
一般の投資家が直面している「厳しい現実」
まず、なぜ平均年収前後のサラリーマン投資家が今しんどいのか。最大の要因は、金利の上昇と物件価格の高騰による利回りの低下です。実際、私が融資を引いている条件でも、金利は徐々に上がってきています。(※金利や融資の情勢は変動します。最新の水準は金融機関にご確認ください。)
これまで、自己資金が潤沢でない投資家の多くは、銀行からフルローンを引いてギリギリの収支で物件を回してきました。ここで押さえておきたいのが「キャッシュフロー」という考え方です。家賃収入から、固定資産税・都市計画税、空室が出たときの修繕や原状回復の費用、管理会社への支払い、火災保険・地震保険といったランニングコストを引き、さらに融資の返済まで済ませて、最後に手元に残るお金——これがキャッシュフローです。
ギリギリの収支で回していた投資家は、金利が上がるとこのキャッシュフローが真っ先に削られます。最初は月数万円のプラスだった収支が、返済額の増加とともにマイナスへ転落する。そうなると、物件を持ち続けるために自分のお金を注ぎ込むという本末転倒の状態になります。しかも彼らには、その赤字を補填できるだけの本業の余剰資金がないことが多い。売ろうにも、残っている借金(残債)のほうが売却価格より大きい「残債割れ」で売るに売れない。進むも地獄、退くも地獄——今、そういう投資家が実際に増えつつあるのです。
医師・高所得者が持つ「2つの武器」
では、同じ環境の中で医師や高属性の方はどうか。実は、一般の投資家が持っていない2つの武器があります。
武器①:赤字局面に耐えられる余剰資金
年収1000万〜1500万円クラスであれば、貯蓄や株式のインデックス投資などで数百万〜数千万円の余剰資金を持っている方が多いはずです。金利が上昇する局面でも、この体力があれば耐えられます。
さらに大きいのは、「家賃収入で食べていく必要がない」ことです。私はこれまで数百人のドクターと面談してきましたが、「お金も時間も無限にあったら何をして過ごしますか」と伺うと、ほとんどの先生が「それでも週2、週3では医師を続けると思います」と答えます。医師の仕事は希少価値が高く、アイデンティティにもなっている。実際、週2〜3日の勤務やスポットのアルバイトだけでも生活は十分成り立ちます。つまり、万一キャッシュフローが一時的に苦しくなっても、本業という強力なセーフティネットがあるのです。
武器②:属性による与信力
地方銀行、信用金庫、信用組合、日本政策金融公庫——金融機関から見ると、医師や上場企業の社員といった属性は「収入が崩れる可能性が低い、安全な貸出先」です。だから、融資環境が引き締まる局面でも、比較的融資が下りやすい。一般の投資家が融資を引けなくなっていく中で、買える人が限られていく市場になるわけです。
皆が撤退する今こそ「安く買える」チャンス
ここまでを整理すると、こういう構図が見えてきます。金利上昇と経費の増加に耐えられなくなった投資家が、物件を手放さざるを得なくなる。ライバルは減り、市場には「事情があって売り急ぐ物件」が出てくる。そのとき、余剰資金と与信力を持つ医師・高所得者は、そうした物件を安く買うことができる——これが、私が「今はチャンスでしかない」と言う理由です。
実際、物件価格の上昇は、すでに持っている側には追い風です。私の所有物件でも、2500万円で買ったものが3000万円程度の評価になったり、土地の価格だけで見れば2500万円相当だったものが4000万〜5000万円程度の価値になっているものもあります。土地値に下支えされた物件を持っていれば、価格上昇局面では資産側が勝手に太っていくのです。
「利回りが下がっているのに買うの?」への答え
こう言うと、必ず聞かれる質問があります。「金利が上がって利回りも悪くなっているのに、今から不動産投資をやるんですか?」——実はこれ、私が不動産を始めた6年前からずっと言われ続けていることなんです。
答えはシンプルで、利回りの高い物件を仕入れればいいのです。ここで言う利回りは、家賃÷価格の見かけの数字(表面利回り)だけではなく、経費と返済を引いた後にきちんと手残りが出るかまで見た話です。手残りが出る高利回り物件を、10年〜15年という短めの返済期間で組んで獲得していけば、家賃が融資の返済をどんどん進めてくれます。私自身、6年前から累計2億円以上の融資を引いてきましたが、残債は今では1億円ちょっと。約1億円分の返済を、家賃が勝手に進めてくれた計算です。
不動産の利益には、売却益(キャピタルゲイン)と家賃収入(インカムゲイン)の2つがあります。物件価格が将来上がるかどうかは、正直誰にも分かりません。しかしインカム重視・利回り重視の投資をしておけば、家賃は積み上がり、返済は進み、キャッシュフローもプラスで回りやすい。そして何かあれば、返済が進んで残債が減っているぶん、売却という出口も取りやすい。負けようがない構造を先に作ってしまうのです。
もちろん、年間10%ずつ価値が下がっていくような物件を掴んでしまえば破綻します。ただそれは市況のせいではなく、物件を選ぶ目がなかったということ。土地値の裏付けや間取り、入居者の付きやすさまで含めてきちんと目利きをする、あるいは不動産投資に精通した人に相談したうえで買った物件なら、そこまで急激に価値は落ちません。
始め時は「早ければ早いほどいい」
私の結論は一貫しています。不動産投資の始め時は、早ければ早いほどいい。迷っているあいだにも、決断できる投資家はどんどん良い物件を買い進め、先に買った人から順に資産の差が開いていきます。
おすすめしたいのは、積立投資のような感覚です。今年1棟、来年また1棟と、市況が良いときも悪いときも買い続ける。株式のインデックス投資と同じで、時間分散で買っていけば高値掴みのリスクは均されていきます。私自身、そういう思想で不動産投資を続けています。指をくわえて待つのか、きちんと学びながら良い物件を獲得しにいくのか——分かれ目は、考え方と決断力、そして行動力です。
まとめ
- 金利上昇と価格高騰で、フルローン・ギリギリ収支の一般投資家は撤退局面。キャッシュフローがマイナス化し、残債割れで身動きが取れないケースが増えつつある
- 医師・高所得者には「余剰資金」と「与信力」という2つの武器があり、同じ逆風でも耐久力がまったく違う
- 撤退者が手放す物件を安く買えるという意味で、今はむしろ千載一遇のチャンス
- 買うべきは、表面利回りだけでなく手残りが出る高利回り物件。短めの返済期間で組めば、家賃が返済を進めて「負けようがない構造」ができる
- 始め時は早いほど有利。積立投資のように時間分散で買い続けるのが私の投資スタンス
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