中古マンションは、築40年を迎える前に出口を検討するべきです。
築40年を超えた瞬間に価値がなくなるわけではありません。しかし、建物の老朽化、住民の高齢化、修繕積立金の不足、設備や間取りの陳腐化が重なり、売却の難易度は明確に上がります。
私は現役の整形外科医として不動産投資を実践しています。不動産で重視しているのは、購入時の価格や毎月の家賃収入だけではありません。最終的に誰へ、どのような状態で売るのかまで考えます。不動産は売って初めて真の資産になるからです。
この記事では、築古マンションが抱える問題と、資産を守るための出口戦略を解説します。
築40年の中古マンションが危険といわれる理由
日本全国の空き家はすでに900万戸以上あり、東京都にも約90万戸が存在します。さらに10年後には、都内のマンションの半数以上が築30年を超え、約260万戸が築40年を超えるといわれています。
中古マンションの老朽化は、一部の所有者だけの問題ではありません。今後は売却時に、同じような築年数の物件と競合する場面が増えます。その中で管理状態や立地に弱点があれば、買主から選ばれにくくなります。
住民の高齢化と管理組合の機能低下
築年数が進んだマンションでは、60代以上の住民が半数近くを占めるケースも珍しくありません。管理組合の担い手が不足し、修繕積立金の滞納や、建て替え・大規模修繕に必要な合意形成の難しさが表面化します。
外壁塗装、エレベーターの補修、配管の更新には多額の費用がかかります。人件費や材料費が上がれば、当初の修繕計画を超える支出も生じます。積立金が足りなければ修繕を実施できず、共用廊下や外壁が傷み、設備の不具合も放置されます。その結果、マンション全体の印象と資産価値が下がります。
設備と間取りが現在の需要に合わない
バリアフリーへの未対応、駐車場不足、使いにくい間取り、古いキッチンや内装も売却価格に影響します。中古住宅への抵抗感が薄れても、住みにくい物件まで積極的に選ばれるわけではありません。
内覧者に古びた印象を与えれば、売れないか、価格交渉で買いたたかれます。室内だけを整えても、共用部の管理状態が悪ければ弱点は隠せません。
中古マンションの出口は3つしかない
マンションの主な出口は、次の3つです。
- 賃貸中の収益物件として投資家へ売る
- 空室の状態で居住希望者へ売る
- 区分所有者の5分の4以上の合意を得て解体し、土地として売る
投資家への売却では、家賃収入と利回りから価格が判断されます。築30年代や築40年代でも売却できる可能性がある、比較的現実的な出口です。
居住用として売る場合、買主は住宅ローンを利用できます。ただし、実際に住みたいと思われる立地、間取り、設備、管理状態が必要です。
土地としての売却は簡単ではありません。区分所有者一人の意思では建物を解体できず、多数の合意が必要だからです。購入時点から、この制約を理解しておく必要があります。
出口から逆算して購入する考え方は、不動産投資は出口戦略で決まる|「買う前に売り方を決める」究極の考え方でも詳しく解説しています。
売れないマンションを避ける4つの出口戦略
築30年代のうちに売却を検討する
築40年は売却難易度が大きく上がる節目です。地価の動きと自分のライフプランを確認し、築30年代のうちから売却時期を検討します。目的なく保有を続ける判断は避けます。
費用対効果の高いリフォームに絞る
内装や設備を整えれば、内覧者に物件の魅力を伝えやすくなります。ただし、費用をかけすぎれば利益を圧迫します。キッチン、内装、色味など、印象を左右する部分に絞って実施します。
立地を最優先する
マンション最大の強みは立地です。東京都内ならどこでも資産価値を維持できるわけではありません。実需と賃貸需要があり、将来も選ばれる場所かを確認します。物件選びの判断軸は、資産価値が下がらない物件とは?「負けない物件」を見極める4つの基準も参考になります。
賃貸に出すなら定期借家契約も検討する
自宅を一時的に貸す場合は、契約期間を定める定期借家契約が選択肢になります。期間終了後の扱いを決めやすく、将来の売却時期も組み立てやすくなります。契約形態だけで入居が決まらなくなるわけではなく、物件の魅力と適切な家賃設定が重要です。
築古の罠と勝ち筋については築古アパートの3つの罠と勝ち筋で詳しく書いています。
まとめ
築40年の中古マンションを一律に避ける必要はありません。しかし、築40年は売却が難しくなる大きな節目です。購入前に管理組合の運営状況、修繕積立金、長期修繕計画、共用部、設備、間取り、立地を確認しなければなりません。
そして、投資家へ売るのか、居住用として売るのか、賃貸を続けるのかを先に決めます。買って終わりではなく、売却まで設計することが資産を守る基本です。
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よくある質問
築40年の中古マンションは買ったり持ち続けたりしてはいけないのですか?
一律に避ける必要はありませんが、築40年は建物の老朽化、住民の高齢化、修繕積立金の不足、設備や間取りの陳腐化が重なり、売却の難易度が明確に上がる節目です。そのため築40年を迎える前、築30年代のうちに売却時期を含めた出口を検討することが推奨されます。
中古マンションの出口(売却方法)にはどのような選択肢がありますか?
出口は3つです。賃貸中の収益物件として投資家へ売る、空室の状態で居住希望者へ売る、区分所有者の5分の4以上の合意を得て解体し土地として売る、です。投資家への売却は築40年代でも可能性がある比較的現実的な出口で、土地としての売却は多数の合意が必要なため簡単ではありません。
売れないマンションを避けるにはどうすればよいですか?
4つの出口戦略があります。築30年代のうちに売却時期を検討すること、キッチンや内装など印象を左右する部分に絞った費用対効果の高いリフォームを行うこと、実需と賃貸需要があり将来も選ばれる立地を最優先すること、自宅を一時的に貸す場合は定期借家契約を検討することです。
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