不動産投資の失敗は、物件を買う時点でほぼ決まります。売却価格がローン残債を下回る物件、想定外の修繕費が発生する物件、精神的な負担が大きい物件には、購入前から確認できる問題があります。
私は現役の整形外科医として不動産投資を実践しながら、医師の相談を受けてきました。その中には、相談に来る前に問題のある物件を購入し、売ることも持ち続けることも難しくなった先生がいます。
今回は、医師が特に注意すべき不動産投資の失敗事例を3つ紹介します。
不動産投資における失敗の基準
不動産投資の失敗は、単に期待した利益が出なかったことだけではありません。私は次の3つを明確な失敗と考えています。
- 売却価格がローン残債を下回る
- 修繕などによる出費が大きすぎる
- 物件を抱えたことで精神的な負担が続く
たとえば、ローン残債が2,000万円あるのに1,800万円でしか売れなければ、売却には200万円の持ち出しが必要です。資金を用意できなければ、売りたくても売れません。
本業を持つ医師にとって、不動産投資の利点は、時間や思考の大部分を使わずに運用できることです。物件の心配が頭から離れず、本業にも影響する状態なら、その投資は成功とはいえません。
医師が避けるべき最悪な不動産投資3選
1.業者利益が上乗せされたワンルーム・1K
医師の勤務先には、「税金対策の担当者」などと名乗る業者から電話がかかってくることがあります。面談すると、所得税や住民税を抑えられる、35年後には自分の物件になると説明され、ワンルームや1Kを勧められます。
しかし、狭い間取りを自宅として買う一般の購入者は限られます。出口となる買い手が少なく、業者の利益が大きく上乗せされた新築物件では、ローン残債より売却価格が低い状態になりやすいです。
さらに、ワンルームの融資で与信枠が埋まり、自宅や次の収益物件を買えなくなる先生もいます。節税という言葉だけで判断してはいけません。税金と不動産所得の関係は、医師の確定申告と節税の新常識|不動産所得を持つ意味でも整理しています。
2.高額修繕が発生した築古RC
ある先生は、築35年ほどのRC物件を1億2,000万〜1億3,000万円ほどで購入しました。約1年後に水漏れが発生しましたが、漏水箇所を特定できませんでした。
RCは壊すにも直すにも費用がかかります。建物内部の配管を修理できず、外側に新しい配管を通す方法を選ばざるを得なくなり、修繕費は2,000万円と提示されました。その後、不動産業者や銀行との裁判に発展し、金銭面だけでなく精神面でも大きな負担を抱えることになりました。
大規模なRC物件には所有する満足感があります。しかし、築年数が古ければ、給排水設備の問題が大規模修繕につながるリスクを前提に判断する必要があります。築古物件の確認点は、築古アパートの選び方|医師が確認すべき3条件も参考になります。
3.再建築可能でも工事が現実的ではない戸建て
別の先生は、約200万円の安い戸建てを購入しました。業者からは、前面道路についてセットバックすれば再建築できると説明されていました。
数年後、建物に傾きが出たため解体して新築しようとしたところ、問題が判明します。敷地前の道路幅を確保できても、そこへ至る道にトラックやポンプ車が入れず、基礎工事や資材運搬が難しかったのです。
手作業で資材を運べば、建築費が1.5倍から2倍になる可能性があります。建築できたとしても利回りが低くなり、投資として成立しません。法的に再建築できることと、現実的な費用で建築できることは別です。前面道路だけでなく、工事車両の進入経路まで確認する必要があります。
不動産投資の失敗を防ぐ方法
今回の3事例には、購入前に防げたという共通点があります。営業担当者の説明をそのまま受け入れず、売却時の買い手、築年数に応じた修繕リスク、接道と工事条件まで確認すれば、問題は見抜けます。
ただし、知識を増やすだけでは十分ではありません。一人で判断すると、見落としは起こります。不動産投資の実績があり、購入を急がせず、問題点にも真摯に向き合う相談相手やメンターを持つことが重要です。
医師がこうした物件を持ちかけられる背景には、構造的な理由があります。不動産投資はやめとけと言われる理由と、医師がカモにされる構造で解剖しています。
こうした失敗を招く人に共通する姿勢は、不動産投資で失敗する人の特徴とワースト5をまとめた記事に整理しています。
まとめ
医師が避けるべき物件は、業者利益が上乗せされたワンルーム・1K、高額修繕の可能性がある築古RC、再建築可能でも工事条件が悪い戸建てです。
購入前には、ローン残債と将来の売却価格、修繕費、実際の建築条件を確認してください。不動産投資は、買ってから対処するのではなく、買う前に失敗を避けるものです。
初めて物件を検討する方は、初心者からはじめる医師の不動産投資(Amazon不動産投資部門1位)も判断基準の整理に活用してください。
よくある質問
医師が不動産投資で失敗しないためには何が重要ですか?
不動産投資の失敗は物件を買う時点でほぼ決まります。業者利益が上乗せされたワンルーム・1K、高額修繕の可能性がある築古RC、工事条件が悪い戸建てを避け、購入前にローン残債と将来の売却価格、修繕費、実際の建築条件を確認することが重要です。
築古のRC物件にはどのような修繕リスクがありますか?
築35年ほどのRC物件を購入した医師の例では、約1年後に水漏れが発生したものの漏水箇所を特定できず、外側に新しい配管を通す工事で修繕費2,000万円を提示されました。築年数が古いRCは、給排水設備の問題が大規模修繕につながるリスクがあります。
再建築可能と説明された戸建てでも注意すべき点はありますか?
法的に再建築できることと、現実的な費用で建築できることは別です。敷地前の道路幅を確保できても、そこへ至る道に工事車両が入れなければ手作業での資材運搬となり、建築費が1.5倍から2倍になる可能性があるため、進入経路まで確認する必要があります。
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