築45年中古アパートの利回り計算|出口戦略まで公開

築45年の中古アパートでも、土地の価値が物件価格を支え、賃貸需要と出口戦略を確認できるなら、十分に投資対象になります。

今回取り上げるのは、メンバーの先生が購入した価格1,400万円、表面利回り16%、4戸1棟の軽量鉄骨アパートです。満室想定賃料は月24万円。自己資金を2割入れ、金利1.6%、返済期間10年として試算します。

私は現役の整形外科医として診療を続けながら、2019年に不動産投資を始め、現在はアパート9棟・戸建て5軒を所有しています。その経験から重視しているのは、毎月の手残りだけではありません。購入時点で、収益物件として売る場合と、解体して土地として売る場合の両方を計算します。

目次

築45年でも中古アパート投資が成立する理由

築古物件は外観が古びています。しかし、外観が古いことと入居付けが難しいことは同義ではありません。入居率は、内装、家賃、間取り、駐車場などの条件で変わります。

今回の物件は2K以上の間取りで、駐車場もあります。さらに重要なのが土地の価値です。建物を解体し、更地として売却した場合には1,500万円前後で売れると見込めました。購入価格が1,400万円であるため、土地が価格の下支えになります。

もちろん、土地価格だけで購入を決めるわけではありません。現在の賃貸経営が回ることに加え、5年後に収益物件として売れるか、10年後に更地として売れるかまで確認します。築年数だけで候補から外すと、このような物件を見落とします。

新築と中古の選び方を整理したい方は、医師の不動産投資、1棟目は新築か中古か?も参考にしてください。

利回り16%の収支シミュレーション

今回の試算では、入居率90〜95%を維持する前提で、空室や運営費も織り込みました。主な条件は次のとおりです。

  • 物件価格は1,400万円
  • 満室想定賃料は月24万円
  • 自己資金は物件価格の2割
  • 金利は1.6%、返済期間は10年
  • 管理費は家賃の5%
  • 固定資産税は年間17万円
  • 入居募集費用と原状回復費用は、それぞれ年間10万円で試算
  • 保有主体は法人

初年度は仲介手数料、不動産取得税などが発生するため、帳簿上は赤字になります。2年目以降の年間キャッシュフローは、おおむね27万〜30万円です。月に直せば2万円強なので、表面利回り16%という数字だけから期待するほど大きな手残りではありません。

ただし、返済期間を10年と短く設定している点を見落としてはいけません。毎月のキャッシュフローを増やす設計ではなく、早期完済を目指す設計です。副業として不動産投資を行う医師なら、手残りだけで物件の良否を判断せず、元金返済による純資産の増加も見る必要があります。

5年後と10年後の売却で利益はいくらになるか

5年後に収益物件として売却する場合

購入時に投入する自己資金は、諸経費を含めて約350万円です。5年後に購入時と同じ1,400万円で売却できた場合、投入した自己資金は2.32倍になり、5年間の利益は約450万円という試算です。

この指標がマルチプルです。保有中のキャッシュフローだけでなく、売却時に自己資金が何倍になって戻るかを示します。私は物件を判断するとき、この数字を重視しています。

10年後に解体して土地として売却する場合

10年後には築55年になるため、収益物件として売るだけでなく、更地売却も検討します。土地を1,500万円で売却し、解体費用を400万円とした場合でも、利益は約700万円という試算です。

将来の土地価格が上がる保証はありません。それでも、価値のある土地を選べば、建物が古くなった後も出口を作れます。私自身、1,700万円で購入した物件の土地価値が、2025年の相場では4,800万〜5,000万円程度まで上昇した事例を保有しています。これは立地条件に恵まれた一例ですが、土地を重視する理由が明確に表れています。

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築古の罠と勝ち筋については築古アパートの3つの罠と勝ち筋で詳しく書いています。

まとめ

築45年の中古アパートを見るときは、表面利回りや建物の古さだけで判断しません。賃貸需要、実際の運営費、融資返済、土地価値、売却方法を一つのシミュレーションにまとめます。

今回の物件では、年間キャッシュフローは約27万〜30万円、5年後の同額売却で約450万円、10年後の更地売却で約700万円の利益が見込まれました。修繕や空室で結果は変わりますが、土地価格という下支えがあるため、下振れを抑えやすい設計です。

不動産投資では、知識の差が購入結果に直結します。失敗する物件に共通する問題は、医師の不動産投資はなぜ失敗するのかで詳しく解説しています。体系的に学ぶ場合は、初心者からはじめる医師の不動産投資(Amazon不動産投資部門1位)も活用してください。

よくある質問

築45年の中古アパートでも不動産投資の対象になりますか?

土地の価値が物件価格を支え、賃貸需要と出口戦略を確認できるなら、十分に投資対象になります。記事の物件は価格1,400万円に対し更地売却で1,500万円前後が見込め、土地が価格の下支えになるため、築年数だけで候補から外すと見落とすとされています。

表面利回り16%の築古アパートで、実際の手残りはどのくらいですか?

初年度は仲介手数料や不動産取得税で帳簿上は赤字になり、2年目以降の年間キャッシュフローはおおむね27万〜30万円、月2万円強です。返済期間10年で早期完済を目指す設計のため、手残りだけでなく元金返済による純資産の増加も見る必要があります。

築45年アパートの出口戦略はどのように考えればよいですか?

購入時点で、収益物件として売る場合と解体して土地として売る場合の両方を計算します。記事の試算では、5年後に購入時と同じ1,400万円で売却すると約450万円、10年後に土地1,500万円で売却し解体費用400万円を引いても約700万円の利益が見込まれます。

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