中古アパートを購入するなら、土地の価値と出口戦略、物件のスペック、立地と利回りのバランスを必ず確認します。この3点を押さえることで、家賃収入を得ながら売却時の損失も抑えやすくなります。
私は現役の整形外科医として勤務しながら、2019年に不動産投資を始めました。現在はアパート9棟・戸建て5軒を所有し、年間家賃収入は3,000万円です。中古アパートは、収益性と資産性、規模拡大のしやすさを兼ね備えた投資対象だと考えています。
ただし、中古であれば何を買ってもよいわけではありません。購入前の判断を誤れば、高い利回りに見えても空室や売却で苦戦します。この記事では、中古アパート購入で外せない3つの極意を解説します。
中古アパートが不動産投資に向いている理由
中古アパートは、数千万円規模から検討できる物件があります。一棟マンションのように初めから1億円、2億円規模の投資をする場合と比べ、最初の一棟として取り組みやすい価格帯です。
戸数が複数ある点も重要です。たとえば4部屋のうち1部屋が退去しても、残りの3部屋から家賃が入ります。もちろん、差別化したリフォームや管理会社との連携によって空室期間を短くすることが前提ですが、収入源が一室だけの物件より運営に安定感があります。
さらに、一棟アパートでは建物全体を自分で管理できます。外壁塗装や室内リフォームについて、必要な工事を見極め、費用対効果を考えて実施できます。区分所有マンションのように、管理組合が修繕内容や支出を決める形ではありません。区分所有との違いを詳しく知りたい方は、区分所有法改正で築古マンション投資はチャンスか罠か?も参考にしてください。
中古アパートは、家賃収入であるインカムゲインと、売却益であるキャピタルゲインの両方を狙えます。価値のある土地に建つ高利回り物件を選べば、長期保有と売却の双方に対応できます。
極意1|土地の価値と出口戦略を先に確認する
中古アパート購入では、建物だけでなく土地の価値を算出します。私は公示地価などを地図上で確認できる土地価格のデータを活用し、土地価値の下限を見積もります。
購入価格が5,000万円でも、建物を解体して更地にすると土地が2,000万円程度の価値しかない物件では、出口で大きく値下がりする可能性があります。一方、将来更地にした際、購入額に近い価格やそれ以上で売却できる土地なら、利回りだけでは見えない資産性があります。
出口戦略は、購入前に決めます。主な選択肢は、収益物件として次の投資家へ売却する方法と、建物を解体して土地として売却する方法です。収益物件として売るなら、将来も一定の利回りを確保できる価格で買う必要があります。土地として売る可能性があるなら、更地価格から解体後の価値を判断します。
極意2|間取りと駐車場のスペックにこだわる
物件スペックで特に重視するのは間取りです。狭い間取りは供給が多く、築年数が進むほど入居募集が難しくなります。家賃が低いと、退去後のリフォーム費用が収支を圧迫します。空室が増えれば、収益物件としての売却も難しくなります。
私が狙うのは、古くても広い間取りです。少なくとも2DK以上であれば、ファミリーだけでなく、広さを求める単身の中高年層や高齢者からも需要を見込めます。築古物件では、狭さより古さのほうが対策しやすいと考えます。
購入後に壁を新設したり撤去したりして間取りを変える方法もありますが、私は原則として勧めません。工事費に対して家賃の上昇幅が小さくなりやすく、投資効率が合わないからです。最初から需要のある間取りを選ぶほうが確実です。
古くても広い物件は選ばれますが、古くて狭い物件は競争力を失いやすい——これが私の判断基準です。築古の「古さ」は家賃設定やリフォームで対策できますが、「狭さ」は後から変えられません。
車が必要なエリアでは、1戸につき1台分の駐車場を確保します。都市部でも駐車場が1台あるだけで物件を差別化でき、客付けの難易度や設定できる家賃が変わります。間取りと駐車場は、購入後に簡単には変えられないため、取得前に厳しく確認します。
極意3|立地と利回りをセットで判断する
立地がよい物件と、利回りが高い物件のどちらが正解かは一概に決まりません。重要なのは両者のバランスです。
土地価格が下落している地方の物件なら、13%や15%など、短期間で投資資金を回収できる利回りと価格で購入します。地方だから投資が成立しないのではありません。資産価値が下がるリスクを、購入時の高い収益性で補うという判断です。
一方、立地がよく土地価値の維持や上昇を期待できる地域では、利回りが多少低くても、将来の売却でキャピタルゲインを得られる場合があります。表面利回りだけで順位を付けず、土地価値、空室リスク、家賃収入、売却価格を一体で見ます。
失敗の入り口にある構造については、不動産投資はやめとけと言われる理由と、医師がカモにされる構造で詳しく書いています。
まとめ|中古アパートは購入前の3つの判断で決まる
中古アパート購入で確認すべきポイントは明確です。
- 土地の価値を算出し、売却や更地化まで含めた出口戦略を立てる
- 古くても広い間取りを選び、必要な地域では駐車場を確保する
- 立地と利回りをセットで評価し、投資資金を回収できる価格で買う
実際の投資判断は、土地の形、間取り、築年数、立地、投資家本人の資金力や融資条件によって変わります。だからこそ、一般論だけで購入を決めず、物件ごとに数字を確認する必要があります。
中古アパート投資の基礎から判断軸を体系的に学びたい方は、拙著初心者からはじめる医師の不動産投資(Amazon不動産投資部門1位)もご覧ください。利益は購入後の工夫だけではなく、買う前の選別で決まります。
よくある質問
中古アパートを購入するときに必ず確認すべきポイントは何ですか?
中古アパート購入では、土地の価値と出口戦略、間取りや駐車場といった物件のスペック、立地と利回りのバランスの3点を必ず確認します。この3点を押さえることで、家賃収入を得ながら売却時の損失も抑えやすくなります。
中古アパートの間取りはどのような基準で選べばよいですか?
少なくとも2DK以上の広い間取りを選びます。広い物件はファミリーに加え、広さを求める単身の中高年層や高齢者からも需要を見込めます。古さは家賃設定やリフォームで対策できますが、狭さは後から変えられないためです。
土地価格が下落している地方でも中古アパート投資は成立しますか?
成立します。土地価格が下落している地方では、13%や15%など短期間で投資資金を回収できる利回りと価格で購入し、資産価値が下がるリスクを高い収益性で補います。表面利回りだけでなく、土地価値や空室リスク、売却価格を一体で判断することが重要です。
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