築40年、価格1600万円、表面利回り14%の中古アパートは、実際にどれほど儲かるのでしょうか。
結論から言うと、自己資金約400万円を入れて購入し、5年後に同じ1600万円で売却できた場合、手元に戻る金額は約840万円です。投入した自己資金は約2.16倍になります。10年後に同額で売却できれば約3.72倍です。
ただし、この結果は表面利回り14%だけで判断したものではありません。空室、入居者募集、原状回復、管理、固定資産税、融資返済、売買時の仲介手数料まで含めた試算です。そして最大の前提は、5年後、10年後にも1600万円程度で売れる物件を選ぶことです。
私は現役の整形外科医として不動産投資を実践していますが、築古物件では目先の家賃収入だけでなく、出口まで計算して購入を判断します。
1600万円・利回り14%の中古アパートを試算
今回の想定条件は次の通りです。
- 物件価格は1600万円
- 表面利回りは14%
- 満室想定の年間家賃は224万円
- 自己資金は物件価格の20%
- 残り80%は銀行融資
- 融資金利は2%
- 返済期間は15年
- 建物は築古の軽量鉄骨アパート
- 平均入居期間は4年
- 空室後の募集期間は平均2カ月
- 募集費用と原状回復費はそれぞれ家賃2カ月分
- 管理費は家賃の5%
- 消防点検や定期清掃などは年間4万円
1600万円の物件を購入する際には、物件代金以外にも仲介手数料がかかります。仲介手数料は売買価格の3%に6万円を加えた金額が目安となり、このケースでは約57万円です。不動産取得税などの支出も発生します。
年間224万円の家賃がそのまま利益になるわけではありません。空室による家賃減少が平均約9万円、管理手数料が約10万円、入居者募集費と原状回復費がそれぞれ約9万円かかる想定です。さらに、ローン元金の返済が約75万円、利息が約23万円、固定資産税が年間10万円強かかります。
これらを差し引くと、年間キャッシュフローはおおむね50万円です。購入初年度は仲介手数料や不動産取得税があるため帳簿上は赤字になりますが、2年目以降は年間約50万円のキャッシュフローが続く計算です。
年間50万円でも5年後に自己資金が2.16倍になる理由
年間50万円と聞くと、表面利回り14%の割には少ないと感じるかもしれません。しかし、不動産投資では毎月のキャッシュフローだけを見てはいけません。返済のたびに融資元金が減り、物件に残る純資産が増えていくからです。
今回の条件では、当初の自己資金投入額は約390万円です。5年間の家賃収入と元金返済を積み重ね、5年後に1600万円で売却できれば、約840万円が戻る計算になります。約400万円が約2.16倍になるイメージです。
さらに10年間保有し、同じ1600万円で売却できた場合、投入した自己資金は約3.72倍になります。長期保有ほど融資返済が進み、家賃収入が積み上がります。一方、購入時と売却時には仲介手数料がかかるため、短期間で売買を繰り返すより、時間を味方につける方が有利です。
融資の考え方を詳しく整理したい方は、不動産投資の融資はどの銀行で借りる?も参考にしてください。
築40年アパートは土地価値と出口で選ぶ
このシミュレーションを成立させる条件は、5年後や10年後にも同程度の価格で売れることです。そのため、築古アパートでは建物だけでなく、土地の価値を必ず確認します。
建物が古くなり、修繕費が増えれば、解体して更地で売却する選択肢も出てきます。その際、更地にした土地がいくらで売れるかを事前に把握しておく必要があります。土地の価格を調べ、購入価格を下支えできるか確認します。
また、利回りだけでは投資判断はできません。前面道路、市街化区域か市街化調整区域か、土地の形、賃貸需要、間取り、駐車場の台数などを総合して判断します。狭い間取りは空室リスクが上がりやすいため、広めの間取りで、立地の良い木造または軽量鉄骨のアパートが候補になります。
具体的な確認項目は、築古アパートの選び方|医師が確認すべき3条件でも解説しています。
築古の罠と勝ち筋については築古アパートの3つの罠と勝ち筋で詳しく書いています。
まとめ
価格1600万円、利回り14%の築古アパートは、経費と融資返済を差し引いた年間キャッシュフローが約50万円でも、5年後の売却まで含めれば自己資金約400万円が約840万円、10年後なら約3.72倍になる試算です。
重要なのは、高い表面利回りではありません。空室や修繕、税金、売買費用を含めて収支を計算し、将来も同程度の価格で売れる土地価値と賃貸需要を持つ物件を買うことです。築年数だけで除外せず、出口まで数字で確認すれば、築古アパートは家賃収入と売却の両方を狙える投資になります。
医師が不動産投資を始める際の考え方は、初心者からはじめる医師の不動産投資(Amazon不動産投資部門1位)にもまとめています。
よくある質問
築40年・1600万円・表面利回り14%の中古アパートは実際にどれくらい儲かるのですか?
自己資金約400万円を入れて購入し、5年後に同じ1600万円で売却できた場合、手元に戻る金額は約840万円で、自己資金は約2.16倍になる試算です。10年後に同額で売却できれば約3.72倍です。将来も同程度の価格で売れる物件を選ぶことが前提となります。
表面利回り14%なのに年間キャッシュフローが約50万円にとどまるのはなぜですか?
満室想定の年間家賃224万円から、空室による減少約9万円、管理手数料約10万円、募集費と原状回復費各約9万円、ローン元金約75万円と利息約23万円、固定資産税10万円強を差し引くためです。その結果、年間キャッシュフローはおおむね50万円になります。
築40年の築古アパートを購入するときは何を基準に選べばよいですか?
5年後や10年後にも同程度の価格で売れることが条件のため、建物だけでなく土地の価値を必ず確認します。前面道路、市街化区域かどうか、土地の形、賃貸需要、間取り、駐車場の台数などを総合的に判断し、広めの間取りで立地の良い木造や軽量鉄骨のアパートが候補になります。
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