都心駅近の新築物件は、立地が良いという理由だけで買ってはいけません。土地と物件の価格に対して家賃が伸びにくく、保有中の収支が赤字になりやすいからです。
私は現役の整形外科医として働きながら不動産投資を実践しています。医師は融資を受けやすい一方、その属性を前提に、見栄えの良い新築物件を勧められることがあります。しかし、不動産投資の成否を決めるのは新しさや住所ではありません。家賃収入、経費、融資返済、売却まで含めて利益が残るかどうかです。
都心駅近でも不動産投資として安全とは限らない
都心駅近の物件には、入居需要を見込みやすく、土地の価値も落ちにくいという利点があります。空室が怖い初心者ほど「都心で駅から近ければ間違いない」と考えがちです。
ただし、土地の価値が落ちにくいことと、賃貸経営で利益が出ることは別問題です。建物は築年数とともに価値が落ちます。さらに、都心部では土地と物件の価格が上昇しても、家賃を同じ割合で引き上げられるとは限りません。
物件価格だけが上がれば、購入価格に対する家賃収入の割合、つまり利回りは低下します。都心駅近では利回りが4%、場合によっては3%程度の物件もあります。ここから金利、元本返済、固定資産税、火災保険、空室、修繕などを負担すれば、手元に利益が残りにくいのは明確です。
たとえば利回り4%の物件で金利負担が2%前後なら、経費と元本返済を考える前から余裕はほとんどありません。属性が良く、低い金利で借りられたとしても、物件自体の収益力が不足していれば安全な投資にはなりません。融資を含めて判断したい方は、不動産投資の融資と金融機関の選び方も確認してください。
新築プレミアムがなくなると家賃と物件価値が下がる
新築物件は、最初だけ新築プレミアムを含んだ家賃で入居者を募集できます。しかし、一度入居者が退去すれば、その建物は中古です。同じ家賃で決まらなければ、募集家賃を下げる必要があります。
特に注意すべきなのが、完成済みの建売アパートです。ワンルームや1Kを並べた似た間取りで、周辺物件との差別化ができていないケースがあります。立地の良い場所には新しい競合物件も建ちます。築年数が進んだ自分の物件が新築と競えば、家賃を下げざるを得ません。
家賃が下がれば利回りから逆算される売却価格も下がります。当初の利回りが5%や6%に見えても、その家賃を維持できなければ想定した物件価値は保てません。低利回りで購入できる買い手は限られるため、出口も狭くなります。
値上がり頼みは投資ではなく投機に近づく
不動産投資の利益には、家賃収入によるインカムゲインと、売却益によるキャピタルゲインがあります。都心駅近の低利回り新築物件は、保有中の利益が残らず、将来の値上がりがなければ利益を出せない構造になりがちです。
しかし、市況の変化は誰にも正確には読めません。値上がりして初めて成立する計画は、運に左右される部分が大きくなります。私は、インカムゲインとキャピタルゲインの両方を狙える物件を選ぶべきだと考えています。
目安として、都心部や主要な都市圏でも利回り8%程度は欲しいところです。一方、地方なら利回り10%以上を目指します。ただし、利回りだけを追って需要の乏しい場所を選ぶと、空室と売却で苦労します。入居需要が見込める立地と、十分な利回りのバランスが必要です。
物件種別を含めて投資方針を整理するなら、医師にアパート経営がおすすめな理由も参考になります。
騙される側に回ってしまう構造は、医師がカモにされる構造を実例つきで解剖した記事も併せてお読みください。
まとめ
都心駅近の新築物件でも、低利回りで家賃下落に弱いなら買うべきではありません。立地の印象ではなく、土地の価値、建物の内容、間取りの差別化、維持費、融資返済、退去後の家賃、売却先まで確認してください。
新築を選ぶなら、自分で土地を仕入れ、建物を企画し、広さや間取りなどで競合との差を作る方法があります。完成済み物件を買う場合も、販売資料の想定利回りを信じるのではなく、個別の投資妙味を自分で計算することが欠かせません。
判断の土台を体系的に学びたい方は、初心者からはじめる医師の不動産投資(Amazon不動産投資部門1位)も活用してください。
よくある質問
都心駅近の新築物件を買ってはいけないのはなぜですか?
立地が良くても土地と物件の価格に対して家賃が伸びにくく、都心駅近では利回りが4%、場合によっては3%程度まで低下するためです。そこから金利や元本返済、固定資産税、空室、修繕などを負担すると、保有中の収支が赤字になりやすく、手元に利益が残りにくいからです。
新築物件の家賃は入居者が退去した後どうなりますか?
新築物件は最初だけ新築プレミアムを含んだ家賃で入居者を募集できますが、一度退去すれば建物は中古となり、同じ家賃で決まらなければ募集家賃を下げる必要があります。家賃が下がれば利回りから逆算される売却価格も下がり、売却の出口も狭くなります。
不動産投資ではどの程度の利回りを目安にすべきですか?
目安として、都心部や主要な都市圏でも利回り8%程度、地方なら10%以上を目指すことが望まれます。ただし、利回りだけを追って需要の乏しい場所を選ぶと空室と売却で苦労するため、入居需要が見込める立地と十分な利回りのバランスを取ることが必要です。
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