医師が不動産投資をする理由|節税より重要な収入の柱

医師が不動産投資をする最大の理由は、単に節税できるからではありません。自分が働くことで得る給与とは別に、継続的な収入の柱を持てるからです。

医師は一般的に所得税や住民税の負担が大きく、働く時間を増やしても手取りが思うように増えないことがあります。さらに、医師の収入は基本的に労働収入です。診療や当直、アルバイトを続けなければ収入は生まれません。

私は現役の整形外科医として働きながら、不動産投資を実践しています。その立場から見ると、医師や高所得者が不動産投資に関心を持つのは自然な流れです。ただし、「節税になる」という言葉だけで物件を選ぶと、本来の目的を見失います。

目次

医師は高所得でも労働収入への依存度が高い

医師の働き方は決して軽くありません。日中の診療に加え、当直や時間外の対応、呼び出しに備えた待機もあります。ある程度の年収を得ていても、それは自分の時間と労働を提供した結果です。

一方、日本では少子高齢化が進み、医療を支える働き手は減っています。医療費を抑えるための制限が増えれば、病院や医師の働き方も影響を受けます。医師の配置や診療体制についても、今後さらに制約が加わる可能性があります。

こうした環境で、自分が倒れたときに給与以外の収入源が何もなければ、家計や子どもの教育、老後の生活に影響します。そこで必要になるのが、医師として働きながら育てられる別の収入の柱です。不動産投資は、その選択肢になります。

「赤字を作る節税」を目的にしてはいけない

医師が不動産投資に興味を持つ入口として多いのが、所得税と住民税を減らしたいという考えです。不動産では、建物価格を決められた年数に分けて減価償却し、帳簿上の経費として計上できます。その結果、不動産所得が赤字になり、給与所得と通算することで一時的に税負担が軽く見える場合があります。

しかし、減価償却によって建物の帳簿上の価値が下がれば、売却時の譲渡所得は大きくなります。購入時に節税できたように見えても、売却時に税金を支払うなら、実態は税金の繰り延べにすぎません。

特に、区分マンションを「節税商品」として購入する考え方には注意が必要です。不動産は赤字を作るための商品ではなく、家賃収入から経費や返済を差し引いて黒字を残す事業です。減価償却だけを見て判断せず、保有中の収支と売却時の税負担まで確認しなければなりません。

減価償却と節税の関係は、医師の不動産投資は節税になる?減価償却の罠と「本当の節税」を解説でも詳しく説明しています。

法人活用で可処分所得と資産形成を考える

不動産投資を事業として拡大するなら、法人の活用が選択肢になります。法人に家賃収入が入り、不動産事業に必要な支出を適切に経費計上できれば、所得税や住民税を支払った後の個人資金だけに頼らず、事業のお金を使えます。

また、配偶者や子どもが不動産事業の業務を実際に担っている場合には、その仕事に応じて給与を支払う方法もあります。所得を自分一人に集中させず、家族で事業に関わる形を作れる点は法人のメリットです。ただし、業務の実態があることが前提です。

重要なのは、法人を作れば自動的に得をするわけではないことです。物件から安定したキャッシュフローを生み、その利益を次の投資や家計にどう配分するかまで考える必要があります。融資を含めた資産拡大については、不動産投資の融資枠1億円をどう使う?金利上昇時代の分散戦略も参考になります。

医師の不動産投資には知識と相談相手が必要

不動産業界では、知識の差がそのまま投資結果の差になります。物件を販売する側と購入する側では、持っている情報も目的も異なります。知識がない状態で提案を受ければ、自分に適さない物件でも魅力的に見えてしまいます。

医学でも、教科書を読んだだけで安全に手術ができるわけではありません。指導医の下で実践し、判断の根拠や危険を学びます。不動産投資も同じです。動画や書籍で基礎知識を得ることは必要ですが、それだけで高額な物件の購入判断を完結させるのは危険です。

購入価格、家賃収入、経費、融資、減価償却、売却までを一つの事業として検討し、疑問を相談できる相手を持つことが欠かせません。

あわせて読みたい

節税を名目に売られる物件が割に合うかどうかは、不動産投資の節税が「嘘」と言われる理由を実例数字で検証した記事を先にお読みください。

まとめ

医師が不動産投資をする理由は、節税だけではありません。労働収入への依存を減らし、自分が診療をしていない時間にも育つ収入の柱を持つことに本質があります。

不動産投資は赤字を作るためではなく、事業として黒字を積み重ねるものです。減価償却による一時的な税負担だけで判断せず、法人の活用、保有中のキャッシュフロー、売却時の税金まで見通してください。

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よくある質問

医師が不動産投資をする最大の理由は何ですか?

節税ではなく、給与とは別に継続的な収入の柱を持てるからです。医師の収入は診療や当直を続けなければ生まれない労働収入であり、自分が働けなくなったときに備えて、診療をしていない時間にも育つ収入源を持つことに本質があります。

節税目的で不動産投資をするのはなぜ注意が必要ですか?

減価償却で不動産所得を赤字にし給与所得と通算すると一時的に税負担が軽く見えますが、帳簿上の建物価値が下がる分、売却時の譲渡所得が大きくなります。実態は税金の繰り延べにすぎないため、保有中の収支と売却時の税負担まで確認する必要があります。

医師が不動産投資を始めるときに必要なことは何ですか?

動画や書籍で基礎知識を得るだけでなく、疑問を相談できる相手を持つことが欠かせません。不動産業界では知識の差がそのまま投資結果の差になるため、購入価格、家賃収入、経費、融資、減価償却、売却までを一つの事業として検討する姿勢が必要です。

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