初心者が新築・築浅アパートを避けるべき理由|1棟目の罠

不動産投資の1棟目で、新築・築浅アパートを安易に選ぶべきではありません。管理の手間が少なく、修繕リスクも低く見えますが、投資として重要な利回りと資産価値を考えると、必ずしも安全な選択ではないからです。

私は現役の整形外科医として不動産投資を実践しています。医師をはじめとする高属性の方が1棟目で生かすべきなのは、きれいな物件を買えることではありません。高い信用力があるからこそ取得できる、収益性の高い中古物件を見極めることです。

目次

新築・築浅アパートが初心者向けに見える理由

新築・築浅アパートは、空室リスクが低く見え、当面は大きな修繕も発生しにくいため、キャッシュフローを計算しやすい物件です。この分かりやすさから、「初心者は手間のかからない新築・築浅から始めるべき」と説明されます。

しかし、安全に見えることと、投資として有利であることは別です。新築・築浅には価格の歪みが生じにくく、安く買う余地も高く売る余地も限られます。不動産投資の旨味は、価値と価格の差を見つけることにあります。その機会が少ない物件を選ぶと、最初から収益を伸ばしにくくなります。

新築・築浅アパートにある3つの罠

1.利回りが低く、手元にお金が残りにくい

新築物件の価格には、土地代や建築費だけでなく、事業者の利益も含まれています。売主側が融資を使って割高に建築していれば、大幅な値引きも困難です。その結果、私が基準としている利回り8%から10%以上には届きにくく、手元に残るキャッシュフローもわずかになります。

中古アパートや中古戸建ては、土地と建物の組み合わせが一つずつ異なります。価格を比較しにくいからこそ、価値を正しく評価できる投資家には、相場の歪みを利用して安く取得できる余地があります。

2.新築プレミアムが剥がれると資産価値も下がる

不動産価格が大きく下がりやすいのは、新築プレミアムが剥がれる築5年から築15年の期間です。一般的な間取りで差別化されていない物件は、築年数の経過とともに家賃が下がります。

例えば、1億円で利回り6%なら年間家賃収入は600万円です。築5年で年間家賃収入が500万円まで下がり、中古物件として利回り7%程度を求められれば、売却価格はおよそ8,500万円になります。購入価格から約1,500万円下がる一方、35年や30年の長期融資では残債が十分に減っていないことがあります。残債以下でしか売れず、売却したくても動けない状態になり得ます。

だからこそ、購入時点で売却まで考える必要があります。詳しくは不動産投資は出口戦略で決まる|「買う前に売り方を決める」究極の考え方でも解説しています。

3.医師の信用力を十分に生かせない

医師の信用力は、不動産投資における重要な資源です。誰でも検討しやすい新築・築浅物件に、その信用力を使う必要はありません。

高属性だからこそ融資を受けられる数千万円規模の中古アパートを選び、必要に応じて自己資金を入れる方が、高い収益を狙える可能性があります。所有欲を満たすことと、投資として利益を出すことは分けて考えるべきです。

業者が高額な新築物件を勧める本当の理由

不動産業者が高額な新築・築浅物件を勧める背景には、仲介手数料があります。3,000万円の物件を仲介した場合、3%なら90万円です。1億円の物件なら300万円になります。一方で、取引にかかる手間や時間は、物件価格ほど大きく変わりません。

そのため、医師の信用力を使って1億円、2億円の物件を買うよう勧めることは、業者にとって効率のよい選択です。提案を受けたときは、それが投資家の利益を優先した助言なのか、手数料を得る側のポジショントークなのかを見極めなければなりません。

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この手の失敗が医師に集中する理由は、不動産投資はやめとけと言われる理由と、医師がカモにされる構造に整理しています。

まとめ

1棟目で重視すべきなのは、見た目の新しさではありません。利回り、家賃下落後の価格、融資残高、修繕リスク、再建築の可否、出口戦略まで確認し、収益性の高い中古物件を選ぶことです。

ただし、中古なら利回りが高いだけでよいわけでもありません。高利回り物件には、再建築できない、修繕費がかかりやすいといった別の罠があります。築古物件を検討する際は、安い築古アパート投資の注意点3つ|医師があえて「築古」を狙う理由も参考にしてください。

医師の信用力は有限です。1棟目では、誰でも買える安全そうな商品ではなく、高属性だからこそ挑戦できる物件を選ぶべきです。体系的に学びたい方は、初心者からはじめる医師の不動産投資(Amazon不動産投資部門1位)もご覧ください。

よくある質問

不動産投資の1棟目で新築・築浅アパートを避けるべきなのはなぜですか?

新築・築浅は管理や修繕の手間が少なく安全に見えますが、価格に事業者の利益が含まれて利回りが低く、価格の歪みも生じにくいため、安く買う余地も高く売る余地も限られるからです。1棟目では信用力を生かし、収益性の高い中古物件を選ぶべきです。

新築アパートの資産価値はいつ、どのように下がりますか?

新築プレミアムが剥がれる築5年から築15年の期間に価格が大きく下がりやすくなります。家賃の下落と中古としての利回り要求で売却価格が購入価格を下回る一方、長期融資では残債が十分に減っておらず、残債以下でしか売れない状態になり得ます。

不動産業者が高額な新築物件を勧めるのはなぜですか?

仲介手数料が物件価格に比例するためです。3,000万円の物件なら3%で90万円、1億円なら300万円になる一方、取引の手間は価格ほど変わりません。そのため高額物件の提案は業者に効率がよく、投資家の利益を優先した助言か見極める必要があります。

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