医師が家賃収入1,000万円を目指す不動産投資|利回りとキャッシュフローの正しい考え方

「医師として働きながら、家賃収入で年1,000万円を得たい」——そう考えたとき、多くの方が最初に気になるのが「どんな物件を、どの順番で買えばいいのか」ではないでしょうか。現役の整形外科医として2019年に不動産賃貸業を始め、現在はアパート9棟・戸建て5軒を保有し年間家賃収入3,000万円を得ているDr.いなせが、家賃年収1,000万円までの道筋と、初心者が必ずつまずく「利回り」と「キャッシュフロー」の正しい読み方を解説します。

家賃収入1,000万円は「物件価格×表面利回り」で決まる

まず前提として、「家賃収入1,000万円」という数字そのものに特別な意味はありません。これは物件価格と表面利回りの掛け算で決まる結果に過ぎないからです。

表面利回りとは、物件価格に対して年間の家賃総収入がどれくらいの割合になるかを示す指標です(=年間家賃収入 ÷ 物件価格)。

  • 1億円の物件で、年間1,000万円の家賃 → 表面利回り10%
  • 1億円の物件で、年間700万円の家賃 → 表面利回り7%
  • 1,000万円の物件で、年間100万円の家賃 → 表面利回り10%

つまり「表面利回り10%の1億円の物件を1棟」でも、「利回りの取れる物件を複数棟」積み上げても、合計の家賃年収が1,000万円に届けば目標は達成できます。何棟目でクリアできるかは、その方の属性(年収・勤続・自己資金など)によって変わります。医師は金融機関からの信用が高く、融資を有利に引きやすいため、この点で相性の良い職業です。

家賃1,000万円でも「手取り」はまったく別物

ここが初心者の見落としがちなポイントです。表面利回りはあくまで「家賃 ÷ 物件価格」の見かけの数字であり、そこから返済と経費を引いた実際の手残りとは大きく異なります。

たとえば1億円の物件を全額融資(フルローン)で購入し、返済期間20年で組んだとします。金利を脇に置いて元金だけで単純計算しても、年間およそ500万円(=1億円 ÷ 20年)の返済が発生します。さらに、これ以外にも次のようなコストがかかります。

  • 修繕費・原状回復費(水漏れなどの突発対応を含む)
  • 空室時の入居募集にかかる不動産会社への費用(広告料)
  • 固定資産税・都市計画税
  • 電気代・清掃費などの共用部ランニングコスト
  • 家賃収入に対してかかる所得税・住民税

これらを差し引くと、家賃1,000万円の物件でも手残り(キャッシュフロー)は年間数百万円程度に落ち着くのが実際のところです。返済の組み方や金利で大きく変動しますが、「家賃=手取り」ではないことをまず押さえておきましょう。表面利回りの高さに惹かれて買ったのに、返済と経費を引いたら手元にほとんど残らなかった——というのはよくある話です。

「キャッシュフロー至上主義」の落とし穴

手元に残るお金を「キャッシュフロー(CF)」と呼びます。年間これだけプラスになった、という指標です。ここで注意したいのが、CFが多ければ多いほど良い物件だ、と単純に考えてしまうこと。これは不動産投資では本末転倒になりかねません。

高利回り=高CFの物件が抱える3つのリスク

キャッシュフローを大きく出すには、表面利回りが高くなければなりません。しかし高利回りの物件には、次のような特徴が伴いがちです。

  • 立地が地方に偏る——都心で表面利回り20%のような物件はまず存在しません
  • 築古になりやすい——法定耐用年数を超えた古い物件は、銀行が融資を出しにくい
  • 融資年数が短くなる——耐用年数の残りが短いほど返済期間も短くなり、毎年の返済負担が重くなる

たとえば同じ1億円の物件でも、返済期間20年なら年間返済は約500万円ですが、10年に短縮されると年間約1,000万円の返済になります。家賃が1,000万円入ってきても、返済が1,000万円あれば、その他のランニングコストを加味した時点で赤字です。「高利回りなのにCFが回らない」という現象は、この融資年数の短さから生まれます。

逆に「この物件はCFが回らないからダメ」という数字だけの判断も、実は非常に危険です。物件は表面利回りだけでなく、間取り・築年数と構造・土地そのものの値段・前面道路・入居者の属性までを総合的に見て判断する必要があります。私が常々お伝えしているのは、CFという一つの数字に飛びつく買い方をしていると、その数字を作り込んで見せてくる業者に足元をすくわれる、ということです。

私の実例:地方・築古の高利回り物件をどう活かすか

とはいえ、高利回りの地方物件が悪いわけではありません。むしろ使い方次第で強力な武器になります。私自身の保有物件を例に挙げます。

  • 21万円で買った戸建て(築40年超・6DK)——再生して家賃月5.3万円で貸し出し。投資総額に対する利回りは30%を超えています
  • 1,200万円の築50年・長屋6戸——家賃は月18万円、表面利回りは約18%

こうした物件は、土地の値段が下がりつつあるエリアにありますが、表面利回りが20〜30%あれば6〜7年で投下資金を回収でき、その後は「ほぼタダで物件を持っている」状態に近づきます。私が指導している北海道の受講生ドクターの中にも、地方の高利回り物件で着実に成果を上げている方がいます。

そして、そこで生まれたプラスのキャッシュフローを次の物件購入の原資に充てていく——これが資産を雪だるま式に増やしていく王道の一つです。

ただし「出口(売却)」は必ず最初に設計する

高利回りの地方・築古物件は、土地の値段が下がり人口も減っていく地域が多いのが弱点です。だからこそ、買う前に「出口」を決めておくことが欠かせません。回収後もそのまま持ち続けて家賃を取り続けるのか、一定期間で売却して現金化するのか。入口の利回りだけでなく、出口までの絵を描いてから買う。これが地方・築古で失敗しないための最低条件です。

これから伸びるエリアを先読みする

もう一つの考え方が、今は土地の値段が低くても、これから再開発や新駅の計画があるエリアを先回りして押さえるという戦略です。街づくりが進んで土地の価値が上がってから売却すれば、家賃収入に加えて売却益(キャピタルゲイン)も狙えます。

こうした再開発の兆しは、公になってからでは価格に織り込まれてしまい旨味が減ります。日頃から地場の不動産会社や地域の情報に触れ、公表前の段階で気配をつかめるかどうかが差になります。私自身も人脈が広がる中で、今後大きく動きそうなエリアの話に触れる機会が増えてきました。信頼できるドクター同士でこうした情報を共有し、みんなで資産形成を進めていける環境をつくっていきたいと考えています。

まとめ:数字だけで買わず、総合判断と出口設計を

  • 家賃収入1,000万円は「物件価格×表面利回り」で決まる。何棟目で届くかは属性次第
  • 家賃=手取りではない。返済・経費・税金を引いた「手残り(CF)」で考える
  • CFの数字だけで物件を判断するのは危険。間取り・築年・土地値・入居者属性まで総合的に見る
  • 高利回りの地方・築古物件は「出口(売却)」まで設計してから買う
  • 再開発など将来の伸びしろを、公表前に先読みできると家賃+売却益の両取りが狙える

不動産投資は、正しい知識を持って総合的に判断できるかどうかで結果が大きく変わります。医師の不動産株式会社では、医師一人ひとりの状況に合わせたオーダーメイドの投資戦略のご提案から、医師限定のコミュニティ運営まで、資産形成を総合的にサポートしています。「何から始めればいいか分からない」という段階の方も、まずはお気軽にご相談ください。

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