空室のある収益物件を検討するなら、購入前に必ず室内を内見してください。重要なのは、部屋がきれいかどうかを眺めることではありません。入居募集までに必要な修繕と、現実的な募集家賃を自分でシミュレーションすることです。
私は現役の整形外科医として働きながら不動産投資を実践しています。医師は本業が忙しく、内見の日程を確保しにくいものです。それでも、空室の確認を省略してはいけません。室内の状態を把握しないまま購入すると、想定外の修繕費や家賃の下落によって、購入時の収支計画が崩れるからです。
空室物件は購入前の内見が必須
満室のオーナーチェンジ物件とは異なり、空室のある物件では実際の部屋を確認できます。この機会を使わない理由はありません。
売主が、修繕費のかかる部屋をそのままにしている可能性もあります。床が抜けている、天井が壊れているといった重大な問題が隠れていることもあります。実際に、室内を見ずに購入した結果、1階と2階がつながっていたという事例さえあります。
内見では、現状の問題点を見つけるだけでなく、「どこを直せば入居が決まるか」「修繕後にいくらの家賃で募集できるか」まで考えます。業者から示された収支をそのまま受け入れず、自分で数字を組み直すことが必要です。
不動産投資の内見で確認する5つのポイント
水回り
トイレ、キッチン、浴室は入居希望者の判断に影響する部分です。最低限使える状態か、清潔感を出すためにどの程度の修繕が必要かを確認します。設備の状態を見ながら、入居募集までに必要な工事を洗い出してください。
壁とクロス
クロスが汚れていれば、張り替えを前提に収支を計算します。周辺の競合物件と同じような内装で差別化できない場合は、アクセントクロスを採用したほうが決まりやすいかも検討します。ただ直すのではなく、入居者に選ばれる部屋を想定して確認することが大切です。
床の汚れと傾き
床は汚れや傷だけでなく、傾きも確認します。傾きのある部屋は、入居希望者への説明が必要になり、募集家賃を下げなければ決まりにくくなる場合があります。
傾きの修正には大きな費用がかかるため、直さずに低価格帯の家賃で募集するケースもあります。動画で示した目安では、同等の部屋より家賃を2割ほど下げる想定が必要な場合もあります。業者のレントロールが他の部屋と同じ家賃になっていても、その数字を鵜呑みにしてはいけません。
天井と雨漏り
天井には雨漏りの痕跡がないかを確認します。雨漏りがあれば、入居募集前に修繕が必要です。内見日が晴れていても、天井の染みや傷みを見落とさないようにしてください。
シロアリ被害
柱や床が食われていないか、床が不自然に緩くないかを確認します。シロアリ被害が疑われる場合は、床下の柱の補修や薬剤による対策が必要になる可能性があります。動画内で挙げた費用感は10万〜20万円程度ですが、被害の有無と補修範囲を見込んで判断します。
良い物件ほど内見を早く実行する
内見は、仲介業者に付き添ってもらい、説明を受けながら行います。ただし、日程調整に時間をかけすぎてはいけません。条件の良い物件ほど、不動産業者や他の投資家がすぐに動くからです。
購入したい物件に空室があるなら、平日の仕事後や土曜日などを使い、できるだけ早く室内を確認します。納得できる物件なら、内見後に買付申込書を提出するところまでスピード感を持って進めます。買付の考え方は、買付証明書のキャンセル料と提出タイミングでも解説しています。
ただし、早く動くことと確認を省くことは別です。水回り、壁、床、天井、シロアリの順に確認項目を固定すれば、短時間でも必要な情報を集められます。そのうえで修繕費と募集家賃を反映し、収支を再計算してください。
そもそも医師に不利な物件が集まる仕組みは、なぜ不動産投資はやめとけと言われるのか——カモにされる3つの構造で説明しています。
まとめ
空室物件の内見でやるべきことは、修繕箇所を特定し、入居募集後の家賃を自分で組み直すことです。室内を見ずに購入すれば、多額の修繕や想定外の家賃下落を抱える可能性があります。
- 水回りが使える状態か確認する
- 壁とクロスの修繕内容を考える
- 床の汚れ、緩み、傾きを確認する
- 天井に雨漏りの痕跡がないか見る
- 柱や床にシロアリ被害がないか確認する
- 修繕費と現実的な募集家賃で収支を再計算する
不動産投資では、正しい知識を持ち、必要な行動をすぐに取ることが欠かせません。空室のある物件も適切に調査できれば、検討できる物件の幅が広がります。基礎から体系的に学びたい方は、初心者からはじめる医師の不動産投資(Amazon不動産投資部門1位)も参考にしてください。
よくある質問
空室物件の内見で最も重要なことは何ですか?
部屋がきれいかどうかを眺めることではなく、入居募集までに必要な修繕と現実的な募集家賃を自分でシミュレーションすることです。業者から示された収支をそのまま受け入れず、修繕費と募集家賃を反映して自分で収支を組み直すことが失敗を防ぎます。
不動産投資の内見ではどこを確認すればよいですか?
水回り、壁とクロス、床の汚れと傾き、天井の雨漏りの痕跡、シロアリ被害の5つを確認します。この順に確認項目を固定すれば短時間でも必要な情報を集められるため、その結果をもとに修繕費と募集家賃を見込んで収支を再計算します。
床に傾きのある物件はどう判断すればよいですか?
傾きの修正には大きな費用がかかるため、直さずに低価格帯の家賃で募集するケースもあります。同等の部屋より家賃を2割ほど下げる想定が必要な場合もあり、レントロールが他の部屋と同じ家賃でもその数字を鵜呑みにしてはいけません。
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