副業で不動産投資を始める初心者には、築35年以上のいわゆる「ボロ物件」が有力な選択肢です。物件価格が比較的安く、高い利回りを狙えるうえ、家賃の下落も緩やかだからです。
もちろん、古ければ何でも買ってよいわけではありません。融資の受けにくさや退去後のリフォーム費用など、事前に把握すべき注意点もあります。しかし、古いという理由だけで候補から外す必要はありません。
私は現役の整形外科医として働きながら、2019年に不動産投資を始めました。診療と不動産賃貸業を両立する立場から見ても、正しく選んだボロ物件は、初心者が安定したキャッシュフローを目指すうえで合理的な投資対象です。
不動産投資におけるボロ物件とは
ボロ物件に明確な定義はありません。一般的には、築35年以上が経過し、外壁塗装などが十分に行われておらず、外観が古く見える物件を指します。対象はアパートだけでなく、戸建ても含まれます。
見た目が古いと、「大規模修繕が必要なのではないか」「入居者が決まらないのではないか」と不安になるものです。しかし、築年数だけで収益性や安全性は判断できません。重要なのは、現在の家賃、購入価格、建物の状態、必要な修繕を個別に確認することです。
新築と中古の選び方から整理したい方は、医師の不動産投資、1棟目は新築か中古か?も参考にしてください。
初心者にボロ物件を勧める3つの理由
家賃が下がりきっている
築35年以上の物件は、すでに家賃が下がりきっているケースが多く、将来の収支を見通しやすいことがメリットです。
新築には新築プレミアムがあり、新築ではなくなった時点や築年数の経過に伴って家賃が下落します。一方、築20年を超える頃から下落幅は緩やかになります。築35年の物件が築45年、築50年になっても、同程度の家賃を維持できる場合があります。
高い利回りを狙える
古い物件は価格が下がっているため、正しく探せば利回り10%以上、12%以上の物件も見つかります。築20年以内の物件では、利回り8~9%なら比較的よく、7%台になることもあります。
不動産賃貸業では、固定資産税、火災保険、入退去に伴う費用などが継続的に発生します。表面利回りが低ければ、これらのランニングコストが収支を圧迫します。家賃が下がりにくく、購入時の利回りが高いボロ物件は、支出を織り込んでもキャッシュフローを残しやすいのです。
修繕費は必ずしも高額ではない
ボロ物件だから毎年多額の修繕費が発生するとは限りません。築55年の平屋でも、数年間で発生した修繕が蛇口の水漏れによる2万円前後だった例があります。軽量鉄骨アパートの水漏れも、10万~20万円程度で収まることがあります。
エレベーターのない物件なら、その保守点検費用もありません。ただし、下水ではなく浄化槽に接続している場合は、保守点検費用や清掃費用が発生します。設備と維持費を購入前に確認すれば、想定外の支出を減らせます。
ボロ物件のデメリットと購入時の注意点
融資が受けにくく自己資金が必要
築35年以上で法定耐用年数を超えた物件は、融資を受けにくい傾向があります。たとえば5,000万円の物件では、2割に当たる1,000万円前後の自己資金を求められることがあります。
ただし、自己資金を入れること自体が欠点とは限りません。手元資金が少ない状態でフルローンを組むと、不動産取得税、固定資産税、火災保険、突発的な修繕によって生活まで圧迫されます。融資額を最大化することより、購入後も十分な資金を残すことが重要です。
長期入居後のリフォーム費用に注意する
古い物件には、10年ほど住み続けている入居者がいる場合があります。長期入居者の退去後は、水回りや内装を整えるためのリフォーム費用が大きくなりやすい点に注意が必要です。
管理会社に全面的に任せると、必要性の低い工事まで含んだ見積もりが出ることがあります。実際に160万円だった見積もりを、現地で必要な工事と不要な工事に分け、40万円程度まで抑えた例もあります。現地を確認し、工事範囲を自分で判断する力が収益を左右します。
失敗を避けるための基本的な考え方は、不動産投資で成功する医師・破産する医師の5つの違いでも解説しています。
築古を狙うときの注意点は安い築古アパート投資の注意点3つと、医師があえて築古を狙う理由にまとめています。
まとめ
不動産投資初心者こそ、築35年以上のボロ物件を選択肢に入れるべきです。家賃の下落が緩やかで、高い利回りを狙いやすく、想像ほど修繕費がかからない物件もあります。
一方で、融資条件、浄化槽などの設備、退去後のリフォーム費用は必ず確認します。古いという先入観だけで避けるのでも、利回りだけを見て飛びつくのでもなく、物件資料と現地の状態を照らし合わせて判断することが必要です。
基礎から体系的に学びたい方は、初心者からはじめる医師の不動産投資(Amazon不動産投資部門1位)もご覧ください。
よくある質問
不動産投資初心者にボロ物件が向いているのはなぜですか?
築35年以上のボロ物件は物件価格が比較的安く、正しく探せば利回り10%以上を狙えるうえ、家賃がすでに下がりきっていて将来の収支を見通しやすいためです。正しく選べば、初心者が安定したキャッシュフローを目指すうえで合理的な投資対象になります。
ボロ物件を購入するときのデメリットや注意点は何ですか?
法定耐用年数を超えた築35年以上の物件は融資を受けにくく、5,000万円の物件で1,000万円前後の自己資金を求められることがあります。また、長期入居者の退去後は水回りや内装のリフォーム費用が大きくなりやすいため、工事範囲を自分で判断することが重要です。
ボロ物件の修繕費は高額になりますか?
必ずしも高額になるとは限りません。築55年の平屋で数年間の修繕が蛇口の水漏れによる2万円前後だった例もあります。ただし浄化槽に接続している物件では保守点検や清掃の費用が発生するため、設備と維持費を購入前に確認しておくことが大切です。
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