不動産投資の最初の一棟として、都心の中古RCを無条件に選ぶべきではありません。条件のよい物件を適正価格で取得する再現性が低く、十分なキャッシュフローを確保しにくいうえ、修繕費も読みづらいからです。
私は現役の整形外科医として診療を続けながら、2019年に不動産投資を始め、現在はアパート9棟・戸建て5軒を所有しています。その経験から、医師や高所得の会社員が最初に狙うべきなのは、見栄えのよい物件ではなく、数字で利益とリスクを判断できる物件だと言い切れます。
都心の中古RC投資を勧めない3つの理由
条件のよい物件が初心者まで回ってこない
都心にあり、資産価値が高く、価格も割安な中古RCは魅力的です。しかし、そのような物件が市場に出れば、プロの業者や海外の富裕層が現金で素早く取得します。多忙な医師が同じ土俵で競い、安く買える可能性は高くありません。
存在するか分からない「幻の優良物件」を探し続けることは、時間という重要な資源を失う行為です。投資では理想の条件を並べるだけでなく、自分が実際に取得できるかまで考える必要があります。
価格が高く、キャッシュフローを残しにくい
都心の中古RCは価格が高騰しており、私が基準とする最低8%、可能なら10%以上の利回りを確保することが困難です。利回りが低ければ、経費と融資返済後に残る現金が少なくなり、元金の減少も遅くなります。
立地がよいことと、不動産投資として収益が出ることは別問題です。利回りの考え方を整理したい方は、不動産投資の利回りとは?4つの種類と計算式・目安をわかりやすく解説も参考にしてください。
中古RCは大規模修繕のリスクが大きい
RCは頑丈に見えますが、それだけで安全とは判断できません。古い配管から漏水が起きた場合、発生箇所の特定やコンクリート部分の工事が難しく、多額の費用が発生することがあります。
実際に、ある先生は約1億2,000万円の築35年ほどの物件を購入した後、原因を特定できない漏水に直面しました。外部配管を新設するため、1,500万〜2,000万円ほどの出費が必要になる状況でした。構造が堅固であることと、修繕リスクを管理しやすいことは同じではありません。
医師が最初の一棟で選ぶべき条件
私が現実的な選択肢として重視するのは、地価が上昇傾向にある地方または郊外の中古アパートです。具体的には、次の条件を基準にします。
- 利回りは最低8%、可能なら10%以上
- 木造、軽量鉄骨または重量鉄骨
- 築20年以上でも検討する
- 間取りは2DK以上を基本とする
- 地方では駐車場を確保する
- 土地は所有権とする
- 再建築不可の物件は避ける
築20年以上でも、家賃がすでに下がりきっていれば、今後の下落幅を見込みやすくなります。長期収支のシミュレーションも立てやすくなります。築古物件の選び方は、安い築古アパート投資の注意点3つ|医師があえて「築古」を狙う理由でも詳しく解説しています。
単身向けの狭い間取りは競合が多く、空室対策が難しくなります。地方では自動車移動が前提となるため、敷地内に駐車場がなければ、近隣で確保できるかを現地調査で確認します。
木造や鉄骨のアパートは、RCと比べて修繕費や将来の解体費を抑えやすく、収益とリスクを管理しやすい点も利点です。一般投資家が融資で苦戦する地域でも、医師は信用力を生かせる可能性があります。競争相手の少ない市場を選ぶことが、医師の強みを生かす戦略です。
目利きよりも客観的な物差しを持つ
知らない地域の物件を、雰囲気や第一印象だけで選んではいけません。必要なのは、誰が確認しても同じ結論に近づける客観的な基準です。
- 地域の地価が上昇、維持、下落のどれに当たるか
- 経費と融資返済後にも利益が残るか
- 現在の家賃相場と5年後、10年後の変化を想定できるか
- 物件価格に占める土地価値はいくらか
たとえば5,000万円の物件でも、土地価値が2,000万円なのか4,000万円なのかで投資判断は大きく変わります。感覚ではなく、地価、家賃、利回り、土地割合という数字で判断します。
初心者のうちは、自宅から車または電車で1時間以内を目安に探すことも重要です。空室が出た際に現地を確認し、必要な修繕と不要な修繕を自分で判断できるからです。管理会社の見積もりをそのまま受け入れるだけでは、収益を残せません。物件の変化を自分の目で確認することが、投資家としての判断力を育てます。
なぜ医師ばかりが狙われるのかは、医師がカモにされる構造を実例つきで解剖した記事にまとめています。
まとめ
都心の中古RCは、一部の資金力と情報力を持つ投資家には適した選択肢です。しかし、医師が最初の一棟で安定した事業運営を目指すなら、再現性の低い理想を追う必要はありません。
高利回り、広い間取り、駐車場、所有権、管理できる修繕リスクを備えた中古アパートを、数字で選ぶことが現実的な最短ルートです。自分の信用力を生かせる市場を選び、客観的な物差しと相談できる専門家を持つことで、購入判断の精度は高まります。
医師が不動産投資を始める際の考え方は、初心者からはじめる医師の不動産投資(Amazon不動産投資部門1位)にもまとめています。
よくある質問
医師が最初の一棟に都心の中古RCを選ぶべきではないのはなぜですか?
条件のよい物件はプロや海外富裕層が先に取得するため適正価格で買える再現性が低く、価格高騰で十分なキャッシュフローを確保しにくいうえ、古い配管の漏水など修繕費も読みづらいからです。数字で利益とリスクを判断できる物件を選ぶべきです。
医師が最初の一棟で選ぶべき物件の条件は何ですか?
地価が上昇傾向にある地方または郊外の中古アパートで、利回りは最低8%、可能なら10%以上が基準です。構造は木造か鉄骨、間取りは2DK以上を基本とし、築20年以上も検討します。地方では駐車場を確保し、土地は所有権とし、再建築不可は避けます。
初心者が物件を感覚ではなく数字で判断するには何を確認すればよいですか?
地域の地価が上昇・維持・下落のどれか、経費と融資返済後にも利益が残るか、家賃相場の5年後・10年後の変化、物件価格に占める土地価値の割合を確認します。また、自宅から車や電車で1時間以内を目安に探すと、空室時に現地を自分で確認できます。
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