結論から言うと、私は築15年前後の中古アパートを積極的には買いません。
理由は、建物価格の下落が続く一方で、利回りは築古ほど高くない物件が多く、ローンを返済しても純資産が増えにくいからです。見た目が比較的新しく、修繕リスクも小さそうに見えますが、資産形成という目的から考えると中途半端な築年数です。
私は現役の整形外科医として勤務しながら、2019年に不動産投資を始めました。現在はアパート9棟・戸建て5軒を所有し、年間家賃収入は3,000万円です。今回は、実践を通じて重視している「物件価値とローン残債の差」という視点から、狙うべき築年数を解説します。
築15年の中古アパートで純資産が増えにくい理由
不動産の価値は、土地と建物に分けて考える必要があります。建物の価値は新築時が高く、時間の経過とともに下落します。一方、ローン残債は毎月の返済によって少しずつ減っていきます。
この物件価値とローン残債の差が、投資家の純資産です。不動産投資では、家賃収入だけでなく、保有中にこの差額がどれだけ広がるかを見なければなりません。
築15年前後は、新築プレミアムがすでに外れているにもかかわらず、建物価格の下落がまだ続く時期です。ローン返済によって残債を減らしても、それ以上の速度で物件価値が下がれば、純資産は思うように増えません。
しかも、築5年から15年程度で利回りが5%台や6%台、間取りも狭い物件となれば、固定資産税、火災保険、空室、広告費、修繕費などの運営コストが収益を圧迫します。融資が多く出ることと、投資として優れていることは別です。
狙うのは築20年以上の高利回り物件
私が狙うゴールデンゾーンは、築20年以上が経過し、建物価格が十分に下がった高利回り物件です。土地の価値を基準に安く取得できれば、資産価値を守りながら家賃収入を得られます。
資産価値が土地に支えられる
建物価格が十分に下がった物件は、その後の価格下落が比較的緩やかになります。築年数が古くても、入居需要があれば家賃収入は得られます。私の所有物件にも築44年や築55年の物件がありますが、実際に入居者が付き、家賃も大きく下がっていません。
将来は建物を解体し、更地として売却する選択肢もあります。そのためには、購入時点で土地の価値、立地、需要を確認することが欠かせません。詳しい見極め方は資産価値が下がらない物件を見極める4つの基準でも解説しています。
高い利回りが運営コストを吸収する
築古物件では、表面利回り10%以上を一つの基準にしています。都市部やその近郊でも8%以上は狙いたいところです。利回りが高ければ、空室や修繕が発生しても、家賃収入の中で費用を吸収しやすくなります。
反対に、利回りが低い物件は、少しの空室や修繕で収支が崩れます。利回りの意味や計算方法を整理したい方は、不動産投資の利回りとは?4つの種類と計算式も確認してください。
築古の修繕リスクは管理できる
築20年以上の物件では、雨漏りや給湯器の故障などが起きる可能性は上がります。ただし、築古だから必ず多額の修繕費がかかるわけではありません。
重要なのは、業者の見積もりをそのまま受け入れないことです。家賃帯と入居者需要を踏まえ、どこまで直せば十分なのかを投資家自身が判断します。保険やガス会社との契約によって対応できる場合もあるため、契約内容の確認も必要です。
不動産投資の本質は、リスクをゼロにすることではありません。発生し得る問題を把握し、費用を見積もり、収益の範囲内で管理することです。築年数だけを理由に避けるのではなく、リスクに対して十分な利回りがあるかを判断します。
築古を狙うときの注意点は安い築古アパート投資の注意点3つと、医師があえて築古を狙う理由にまとめています。
まとめ
築15年の中古アパートは、建物価格が下落する一方、利回りが十分に高くないことがあります。その結果、ローン残債を減らしても純資産が増えにくくなります。
私が重視するのは、築20年以上で建物価格が十分に下がり、土地の価値に支えられた高利回り物件です。資産価値が横ばいで推移すれば、返済が進むほど純資産が増え、次の融資にもつながります。
ただし、築20年以上で利回りが高ければ何でも買ってよいわけではありません。間取り、設備、駐車場、土地の価値、立地、区域区分などを総合的に確認します。築年数は判断材料の一つにすぎません。
体系的に学びたい方は、初心者からはじめる医師の不動産投資(Amazon不動産投資部門1位)も参考にしてください。購入価格ではなく、保有中に純資産が増えるかという視点が、物件選びの軸になります。
よくある質問
築15年の中古アパートを買わないほうがよいのはなぜですか?
築15年前後は新築プレミアムが外れた後も建物価格の下落が続く一方、利回りが5%台や6%台と高くない物件が多いためです。ローン返済で残債を減らしても、それ以上の速度で物件価値が下がると、投資家の純資産は思うように増えません。
中古アパートは築何年以上の物件を狙うべきですか?
築20年以上が経過し、建物価格が十分に下がった高利回り物件が狙い目です。土地の価値を基準に安く取得できれば、資産価値を守りながら家賃収入を得られます。利回りは表面利回り10%以上、都市部やその近郊でも8%以上が一つの基準になります。
築20年以上の築古アパートの修繕リスクはどう管理すればよいですか?
雨漏りや給湯器の故障などの可能性は上がりますが、業者の見積もりをそのまま受け入れず、家賃帯と入居者需要を踏まえてどこまで直せば十分かを投資家自身が判断します。保険やガス会社との契約で対応できる場合もあるため、契約内容の確認も必要です。
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