この記事の結論
- 2025年の法改正で、古い戸建ての大規模リフォームに厳格な審査が必要になりました。
- 建築確認の書類が残っていない戸建ては、工事も融資も売却も行き詰まる恐れがあります。
- 空室と工事のリスクを戸数で分散できる中古一棟アパートが有力な選択肢です。
2025年の建築基準法改正により、不動産投資の前提が変わりました。特に注意すべきなのが、安い中古戸建てを購入し、大規模にリフォームして貸し出す投資です。
結論から言えば、建築確認に必要な書類が残っていない古い戸建てへ、安さだけを理由に手を出すべきではありません。改修工事が進められず、融資や売却にも影響し、出口のない物件になる可能性があるからです。
私は現役の整形外科医として働きながら、2019年に不動産投資を始め、現在はアパート9棟・戸建て5軒を所有し、年間家賃収入3,000万円を得ています。その経験からも、2025年以降は物件価格や表面利回りだけでなく、法令への適合性と出口まで確認する必要があると考えています。
2025年の4号特例縮小で何が変わったのか
これまで戸建てやアパートなどの小規模な建物は、いわゆる4号特例によって建築時の構造に関する審査が簡略化されていました。しかし、2025年から特例が大幅に縮小され、小規模な建物でも新築時や大規模なリフォーム時に、構造の安全性などを確認する厳格な審査が求められるようになりました。
大規模な修繕とは、壁、柱、床、梁、屋根、階段といった主要構造部のうち、一種以上について過半を修繕する工事です。主要構造部の過半に及ぶ工事では、建築確認の申請が必要になります。
申請には時間と費用がかかります。新しい制度である以上、審査窓口や担当者の対応に時間を要する可能性もあります。購入後すぐに工事を始め、短期間で入居者を募集するという従来の計画が、そのまま通用するとは限りません。
古い戸建て投資のリスクが高まった理由
戸建て投資は、比較的少ない資金で物件を購入し、DIYや外注工事によって再生できる点が魅力でした。条件によっては高い利回りを狙えるため、最初の不動産投資として検討する方もいます。
しかし、古い戸建てでは、新築時の建築確認に関する書類が失われていることが少なくありません。必要な書類がない状態で大規模なリフォームを計画すると、確認申請が進まない可能性があります。
さらに問題になるのが融資と出口です。法令に適合できるか不明な物件は、金融機関から見ても評価しにくくなります。購入資金だけでなく、リフォーム資金の融資が付かないことも考えられます。売却時に次の買主が融資を受けられなければ、売りたい時に売れません。
工事ができない、貸せない、売れないという状態でも、固定資産税などの負担は続きます。本業を持つ医師が、こうした出口のない物件を抱えるべきではありません。
中古一棟アパートを検討する理由
2025年以降、私が改めて検討すべきだと考えているのが、条件の良い中古一棟アパートです。
アパートは複数の部屋に分かれているため、一室をフルリフォームしても、建物全体の過半を改修する工事には通常なりません。戸建てのように一回の工事が建物全体へ及びやすい構造とは異なります。
また、戸建ては入居の有無で家賃収入がゼロか100かになりやすい一方、アパートには複数の戸数があります。一室が退去しても、直ちに全収入がなくなるわけではありません。空室リスクを戸数で分散できるため、賃貸経営の安定感があります。
もちろん、一棟アパートなら何でもよいわけではありません。相場より割安に取得できるか、土地を含む資産価値があるか、金融機関から評価されるかを確認する必要があります。詳しい判断軸は、資産価値が下がらない物件を見極める4つの基準でも解説しています。
購入前に確認すべきポイント
中古戸建てを完全に投資対象から外す必要はありません。重要なのは、安さや想定利回りだけで判断しないことです。購入前には、次の点を確認します。
- 新築時の建築確認に関する書類が残っているか
- 予定する工事が建築確認申請の対象になるか
- 申請期間と費用を事業計画へ織り込んでいるか
- 購入資金とリフォーム資金の融資を受けられるか
- 将来の買主が融資を利用できる物件か
金利上昇局面では、金融機関の審査も無視できません。融資環境については、2026年の銀行融資はどう変わる?医師の与信が使えるうちにやるべきことも参考にしてください。
まとめ
2025年の法改正によって、古い戸建てを安く買い、大規模に直して貸す手法の難易度は上がりました。特に、建築確認に関する書類がなく、法令適合性を確認できない物件は避けるべきです。
これからは取得価格だけでなく、改修、融資、賃貸、売却までを一つの事業として判断する必要があります。複数戸による収入の安定性と、土地を含む資産性を重視するなら、中古一棟アパートは有力な選択肢です。
医師が本業と両立しながら不動産投資を進める考え方は、初心者からはじめる医師の不動産投資(Amazon不動産投資部門1位)にもまとめています。制度が変わる時こそ、物件の入口だけでなく出口まで確認して投資判断を行うことが重要です。
よくある質問
2025年の建築基準法改正で戸建て投資は何が変わったのですか?
4号特例の縮小により、小規模な建物でも大規模なリフォーム時に構造の安全性を確認する厳格な審査が求められるようになりました。壁や柱など主要構造部の過半に及ぶ工事では建築確認の申請が必要で、時間と費用がかかります。購入後すぐ工事して短期間で貸すという従来の計画が、そのまま通用するとは限りません。
古い中古戸建てを買う前に何を確認すべきですか?
まず新築時の建築確認に関する書類が残っているかを確認します。あわせて、予定する工事が確認申請の対象になるか、申請期間と費用を事業計画に織り込めるか、購入資金とリフォーム資金の融資が受けられるか、将来の買主が融資を使える物件かを見ます。安さや想定利回りだけで判断しないことが重要です。
法改正後は戸建てより一棟アパートの方がよいのですか?
記事では条件の良い中古一棟アパートを有力な選択肢としています。一室のフルリフォームなら建物全体の過半の改修には通常ならず、複数の戸数で空室リスクも分散できるからです。ただし、相場より割安に取得できるか、土地を含む資産価値があるか、金融機関から評価されるかの確認は必要です。
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