築古アパートの選び方|医師が確認すべき3条件

この記事の結論

  • 築古アパートは古いから危険なのではなく、3条件を満たせば検討に値します。
  • 条件は、修繕費込みで成り立つ収支・土地の資産性・購入前に決めた出口戦略。
  • 表面利回りは都市部8%以上、地方10%以上が検討開始の一つの目線です。

築古アパートは、古いから危険なのではありません。十分な利回り、土地の資産性、明確な出口戦略という3つの条件を満たすなら、検討に値する物件です。

私は現役の整形外科医として不動産投資を実践し、2019年の投資開始からアパート9棟・戸建て5軒を所有するまでになりました。その経験から断言できるのは、築年数だけで物件を選別すると、利益を得られる機会まで逃すということです。

一方で、築古なら何でもよいわけではありません。表面上の家賃や価格だけではなく、修繕後の収支と最終的な売却まで見通して判断する必要があります。

目次

条件1|修繕費を含めても収支が成り立つ

最初に確認するのは利回りです。現在の金利環境では、表面利回り8〜10%以上を検討開始の最低ラインと考えます。東京都や大阪府などでは8%以上、その他の地方都市では10%以上が一つの目線です。

利回りが低い物件は、ローン返済だけで余裕がなくなります。たとえば利回り6%の物件で融資金利が2%なら、単純化すると残るのは4%です。ここから固定資産税、火災保険、空室損、入居募集の広告費、原状回復費を支払います。これでは修繕が一度発生するだけで収支が崩れます。

築古物件では、空室の室内を必ず確認します。壁紙や床だけで済むのか、キッチンやトイレの交換まで必要なのか。その工事後に、いくらの家賃で入居が決まるのか。リフォーム費を折り込んだ購入価格になっているかまで確認して、初めて収支計算が成立します。

利回りの考え方を整理したい方は、不動産投資の利回りとは?4つの種類と計算式・目安も参考にしてください。

初心者は築30年以上のRCに慎重になる

私は、初心者の1棟目として築30年以上のRC物件を勧めません。ある先生が購入した築30年超のRC物件では、購入後に漏水が発生しました。原因箇所を特定できず、外部配管の工事に約2,000万円が必要となり、銀行と不動産業者を相手に裁判を起こす事態になりました。

RCは配管や防水などの大規模修繕が高額になりやすいうえ、解体費も木造や鉄骨造より大きくなります。古くなって運営が難しくなっても、更地にして売却する選択を取りにくいのです。

RC投資そのものを否定しているわけではありません。築20年程度で安く仕入れ、築25〜30年になる前後で売るなど、出口を理解した投資家には成立します。しかし、修繕履歴や売却時期を判断できない初心者が、規模の大きさだけを理由に買うべきではありません。

条件2|建物ではなく土地の資産性を見る

不動産投資で最終的に残るのは土地です。したがって、業者から「都心だから資産性が高い」と説明されるだけでは不十分です。立地がよくても、購入価格が高すぎて利回りが落ちれば、収益物件として成り立ちません。

見るべきなのは、今後数十年にわたって人口や賃貸需要が維持され、土地の価値が保たれるエリアかどうかです。これは都心に限りません。地方にも人口が維持され、土地価格が上昇している地域はあります。

反対に、人口減少が避けられない地域で買うなら、それを補える高い利回りが必要です。地方物件では15%以上など、短期間で投下資金を回収できる水準で購入する考え方があります。資産性と収益性は、必ずセットで評価します。

条件3|購入前に出口戦略を決める

築古アパートは、買った後に出口を考えるのでは遅いです。購入を判断する段階で、次の選択肢を比較します。

  • 収益物件としてそのまま売却する
  • 建物を解体し、更地として売却する
  • 更地に新築を建てて所有を続ける
  • 新築後に売却する

収益物件として売るなら、想定家賃と利回りから将来の売却価格を見積もります。更地にするなら、解体費を差し引いても土地として売れるかを確認します。どの出口でも利益が残らないなら、入口の購入価格が高すぎます。

物件ごとの地雷をさらに確認したい方は、アパート経営で失敗する物件4選をご覧ください。

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築古アパートの罠と勝ち筋は安い築古アパート投資の注意点3つと、医師があえて築古を狙う理由で詳しく書いています。

まとめ|築古アパートは3条件を数字で判断する

買うべき築古アパートの条件は、修繕費を含めても十分な収支が残ること、土地の価値が維持されること、購入時点で出口が明確であることの3つです。

同じ物件でも、自己資金、使える時間、リスク許容度、現地へのアクセスによって適否は変わります。不動産投資は資産規模を競うものではなく、人生を豊かにするための手段です。自分の状況に合わない物件を無理に買う必要はありません。

医師が不動産投資を始める際の考え方は、拙著初心者からはじめる医師の不動産投資(Amazon不動産投資部門1位)でも体系的に解説しています。築年数という一つの数字に惑わされず、収支、土地、出口の3点から判断してください。

よくある質問

築年数が古いアパートでも買ってよいのはどんな場合ですか?

修繕費を含めても収支が成り立つこと、土地の資産性があること、購入時点で出口戦略が明確なこと、の3条件を満たす場合です。築年数だけで選別すると利益を得られる機会まで逃します。一方で築古なら何でもよいわけではなく、修繕後の収支と最終的な売却まで見通して判断する必要があります。

築古アパートの利回りはどのくらいあれば検討できますか?

現在の金利環境では、表面利回り8〜10%以上が検討開始の最低ラインです。東京都や大阪府などでは8%以上、その他の地方都市では10%以上が一つの目線になります。利回り6%で融資金利2%なら残りは4%しかなく、税金や保険、空室損などを払うと修繕が一度発生するだけで収支が崩れます。

初心者が築30年以上の鉄筋コンクリート物件を避けるべき理由は何ですか?

配管や防水などの大規模修繕が高額になりやすく、解体費も木造や鉄骨造より大きいため、古くなっても更地にして売る選択を取りにくいからです。実際に築30年超のRC物件で購入後に漏水が発生し、外部配管工事に約2,000万円が必要となり裁判になった例があります。修繕履歴や売却時期を判断できない初心者が規模の大きさだけを理由に買うべきではありません。

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